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「Society5.0」と「DX」を敢えて徹底的にディスってみる

「Society5.0」と「DX」を敢えて徹底的にディスってみる 次の時代は結局「人間の時代」なんじゃないの?
今日のパソコン教室
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「Society5.0」と「DX」(デジタル・トランスフォーメーション)が注目されています。

すいません、いきなりディスります。

「Society5.0」と「DX」は
一緒にされがちだけど、意味が全然違う

内閣府が言ってる「Society5.0」はこれ。

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会

Society 5.0とは 内閣府

よく引用されるエリック・ストルターマン氏の「DX」定義はこっちに近いような気がします。

「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」

エリック・ストルターマンによるDXの定義 Wikipedia

いっぽう、経済産業省が「DX」という場合は、こんな定義です。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

「DX 推進指標」 経済産業省

全然違うものですよね。でも両方「DX」と呼ばれています。めちゃくちゃです。

「DX」=「Society5.0」みたいにいう人もいれば、「DX」=アマゾンみたいにいう人もいます。
両方ごちゃまぜの人も。

ごちゃまぜになってる例がこちら。

「…これまでの鉄道起点のサービスの提供からヒトの生活における豊かさを起点とした新たな価値の提供へ比重を転換していく。日本経済を引き上げる大きな要因はデジタル化とグリーンで、そのためにDXを具体的に進めていく」

JR東日本の深沢祐二社長 日刊ゲンダイ記事から記事公開終了

とにかく絶対やらなきゃだめ、日本も会社もつぶれるよ、と盛大に脅されているこの概念。

この記事では、夢の未来社会「Society5.0」や「DX」を徹底的にディスってみることによって、分かりにくい、進まない原因を探っていこうと思います。

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「DXの代表はアマゾン」の「DX」をディスってみる

「デジタルトランスフォーメーション、分かりやすいのはアマゾンです」

例えばこのような記事です。

デジタルトランスフォーメーション(DX)のお手本!Amazonが起こすデジタルトランスフォーメーションとは
この記事では、世界的な大企業であるAmazonが起こしてきたデジタルトランスフォーメーションについて解説しています。世界で最もデジタルトランスフォーメーション

おおむね、経済産業省の「DX推進指標」の定義と一致していると思います。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

「DX 推進指標」 経済産業省
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「DXが新しい価値を生み出す」というのは本当か

こうした議論で必ず持ち出される言い方に「DXで新しい価値を生み出す」というのがあります。

デジタル化のベースは3年前の18年9月、経済産業省が発表した「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート」にある。業務環境をアナログからデジタルに移行させ、新しい価値を創出させようというものだ。

DXレポート2 経済産業省(公開終了)

例えば次のようなDXは、新しい価値を生み出していると思います。

・農作物病害警報
・医薬品のシリアル番号管理、安全性確認
・野生動物の保護システムと貧困への取り組み

新しいデジタル技術で新しい価値を生み出すデジタルトランスフォーメーション | みらい経営者ONLINE

しかし、次のような例ではどうでしょうか。新しい価値は生み出されているでしょうか?

Kindle本など、Amazonの一部の商品ページには、「1-Clickで今すぐ買う」というボタン…このボタンを押すと…即座に注文が成立します。しかも、プライム会員であれば…送料がかかりません。
 この便利さに、つい余計なものまで買ってしまう人もいるはずです。そして、この便利さゆえに、同じものを買うのなら、継続的にAmazonを使う、という人も多いでしょう。

コレ1枚で分かる「Amazonの戦略から見えてくるデジタルトランスフォーメーションの本質」 (1/2) | ITMediaエンタープライズ

販売されている商品はほとんど既存のものです。
「他社ではなくアマゾンで買っている」「つい余計なものまで買ってしまう」だけです。
ここでは、新しい価値はなにひとつ創造されていません。

創造されているのはアマゾンの企業価値だけであって、それは市場にいる他の供給者の価値を破壊し、「総取り」することで成り立っています。

さらに次のような例もあります。こちらはどうでしょうか。

見積もりや発注をAIによって自動的に行い、設計データから加工プログラムを自動生成。以前は部品が顧客の手元に届くまでに約3週間かかっていました。しかし…3Dデータから自動で見積もりや発注を可能になり、顧客に届けるまでの期間を2週間以上短縮することに成功しました。

20社のDX事例から読み解く DX推進のための2つのポイント | SHARE-BOSS

これは「顧客が2週間以上早く商品を入手できる」というサービス向上をしています。

もちろん、中間コストの削減は企業収益に影響しますし、競合他社よりも納期が早いということは十分に企業価値を高めます。しかし、商品自身に新しい価値が付与されたわけではありません。

このように、社会に新しい価値をもたらすDXと、単に自社の競争優位をもたらし「企業価値を上げる」DXが混同されているのだと思います。

「商品の価値」について

より早く便利に商品が買えるなら、商品の価値は高まったじゃないか? という議論もあると思います。

しかし、例えばアマゾンは
書籍販売で大きなシェアをとることによって、より大きな価値を生み出したでしょうか?

独占・集積の効果により利益の総量は増えているかもしれませんが、書籍の原価と販売価格は同じですから、新たな価値は1円も創造されていません。

同じ商品を早い納期で納めた会社は、自社の商品の価値を高めたでしょうか?
いいえ、そうではないと思います。なぜなら、納期の遅い会社が淘汰された後は、その商品はその納期で納められることが当たり前となり、一時手にした優位性はなくなってしまうからです。

アマゾンがもたらした「書籍はポチったら翌日に届いて当たり前」の価値観。
もうそれが普通になってしまったら、本の値段は元のまま。まったく商品の価値は高まっていないことが分かると思います。

競争と独占は「同じもの」

よく、「独占はよくない」「競争が必要」と言われますが、
実際は競争と独占は同じものだと思います。

競争の結果が独占であって、最も低い価格、最もよい製品、最も利便性の高いサービスを極限まで競争すれば、理屈上は必ず独占にたどりつきます。

それを「適度な競争状態を保つ」とすれば、必ず価格、商品、利便性のどれかを外から抑制する方法しかありません。

特にDXがもたらす熾烈な競争とは、「誰が総取りするか」をめぐるものとなり、結果はかなり高い確率で独占をもたらすと思います。

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「DXしない会社はつぶれる」は本当か

「DXを成し遂げられない会社は倒産する」、この言い方も、調べていくと

実は大きく2種類あることが分かりました。

「DXしないと競争に負けてつぶれる」

言うまでもなく、デジタル技術を活用したり、EC比率と高めたりすることだけが、業績回復の手段というわけではありませんが、消費者のライフスタイルや購買行動の変化に適応して、自らの提供価値やビジネスモデルを変容させられなければ、今後はそれが致命傷となるということです。

デジタル化への対応が企業の存続を左右する | ZDNet Japan

この記事は凄く分かりやすいのですが、DXと言えども従来のビジネスモデル変容と、根本的に何ら変わるところはないのだ、ということがバレちゃってますね。

ですから、極論すれば

とにかくDX、DXだと叫び続けて、消費者をとらえる努力をしない企業は、DXしたところでつぶれるのは同じだ、ということになるわけです。

DX指標は関係ない。競争に負けるからつぶれる

また、このパターンで会社がつぶれるのは「競争に負けるから」であって「DXしないから」ではありません。

いくら「DX指標」を満たしたところで、より顧客を見据えたDXをした会社や、DXしてない優良企業に負けてつぶれることだってあり得るのです。

つぶれなくて済むのは1社だけ。苛烈なDXの「総取り」現象

DXによる競争の特徴として「勝者総取り」になる場合が多いことがあげられます。

コンピュータとインターネットのスピード感がそうさせるのですが、
勝者総取り、つまり

「DXをやったとしても、つぶれなくて済むのは1社だけ」

ということになります。

言い方を変えれば

「他社を全部つぶすつもりでDXをやった一社だけが生き残る」

ということになります。なんとなくDX指標を満たしていれば会社が存続するという呑気な話ではないのです。

「古いシステムのままだとDXできなくてつぶれる」

経済産業省の言う「2025年の崖」と言われる内容と重なるものです。

既存システムのブラックボックス状態を解消しつつ、データ活用ができない場合、
1)データを活用しきれず、DXを実現できないため、
市場の変化に対応して、ビジネス・モデルを柔軟・迅速に変更することができず
→ デジタル競争の敗者に
2)システムの維持管理費が高額化し、IT予算の9割以上に(技術的負債※)
3)保守運用の担い手不在で、サイバーセキュリティや事故・災害による
システムトラブルやデータ滅失等のリスクの高まり
<2025年までにシステム刷新を集中的に推進する必要がある>
「DXレポート」 経済産業省 タップすると画像のみ表示、指で広げると拡大します

2020年→2025年で、基幹系システム21年以上が4割→6割に跳ね上がるというのです。

20年前といえば、2000年前後。Windows XPが発売されたころ。「写メ」がヒットし、ADSL全盛で、iモードやFOMAが始まり、アマゾンが日本に進出したころです。

コンピュータ一台ずつ独立して使われていた時代から、サーバが本格的に使われはじめたころ。
基幹システムというイメージはこのころできたと言えるのでしょう。(現場は子供だったのでよく知りませんが)

思えば当時も、OA化、基幹システム構築、BPR(業務改革)と、今の「DX」と似たようなことが言われていたのだと思います。

そう考えると、今のDXは、昔のDXのリニューアル、「DXX」なのではないかという見方もできます。

2000年前後に時代の最先端を取り入れて構築した基幹システム。それが今や、危機に瀕しているというわけです。

  • 保守期限
  • ハード・OS・言語の陳腐化
  • エンジニアの退職
  • 業務そのものとの不適合

教室で、現場にいる皆様からのご相談を受けることがあります。

解決を妨げる問題について、そのときに受けた印象は次のようなものです。(※すごいかたよっているかもしれません)

システム刷新のコストが全部損失に見える、費用が捻出できない

システム一世代目は、「ないところにシステムを入れる」わけですので、費用対効果が明確です。
これだけのコストをかけたら、これだけ削減できる。これだけメリットがある。

ところが、現在のシステム2世代目は「あるものが古くなったから変えないといけない」。

すると、かかるコストが全部損失に見えているのではないかと思います。コストを大きく削って発注し、現場との軋轢を生んでいるような例もありました。

業務にとってデメリットしかないと感じてしまう

システム新規導入時は「こんなに業務が変革される」と分かりやすく、導入もスムーズだったかもしれません。

しかし、入れ替えとなると「何がよくなるのか分かりづらい」「良くなるわけでもないのに変えなきゃいけないの?」となりがちなのではないでしょうか。

単に古いシステムの更新と考えたのでは割に合わない。ビジネスの拡大を見据えないとたぶんできないのだろうと思うのです。

そういうところが、システム刷新を新たにDXとして捉える意味なのだろうと思います。

「システム刷新だって、ビジネスそのものを変容させないとコストも捻出できないよ」という形で、ビジネスモデルの変容に返さなければ、たぶん実現できないのだと思います。

最も消極的な、「システムの賞味期限切れ」という負の圧力に強いられた動機のみによるDXにとどまるならば、「つぶれないたった一社」にはなれない可能性が高いのではないでしょうか。

まとめ:DXでGAFAに対抗するなんてやめた方がいいと思うよ

1990年代から脈々とDXを進めてきたのがGAFAです。それがあって今の「総取り」状況があります。

総取りしている会社の資金力とノウハウ、機動力はすさまじいものです。
ちょっとドコモを完全子会社化したくらいでは全然追いつきません。DXがもたらす総取りとは、それほど猛烈でやり直し不可能なものだと思います。

だからこそ、今更小手先でGAFAに対抗しようなどとは考えずに、「今から総取りできる領域」、「誰も提起していない新しい領域」に集中するべきだと思います。

でなければ、巨人に対して手持ちの弾を打ち尽くし、あらゆる投資がことごとく特別損失に計上され、すってんてんで市場の外に転落することになると思います。

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人間に幸福をもたらす(らしい)「Society5.0」をディスってみる

次に、ビジネスの熾烈な競争から少し目を離して、内閣府が言っている「Society5.0」をディスってみたいと思います。

Society 5.0とは
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)
Society 5.0とは | 内閣府 タップすると拡大します
Society 5.0とは | 内閣府 タップすると拡大します
Society 5.0とは | 内閣府 タップすると拡大します

Society5.0を分かりやすくディスってみる

上の図に、隠されたある要素を加えてみましょう。

Society4.0
クラウドに、政府やGAFAもアクセス
Society5.0
AI・人工知能を政府やGAFAが作ってフィジカル空間まで影響
内閣府の画像を当店の手でコラージュしたものです。タップすると拡大します

Society4.0では、政府やGAFAと言えどもネットワークの一参加者です。
しかしSociety5.0では、政府やGAFAは、人工知能の開発を通してフィジカル空間まで直接の影響力を持ち、個々の人間の判断を飛び越して直接支配できるのです。

Society5.0とは、もしかしたら

  • 判断を人工知能に奪われ
  • 政府やGAFAの人工知能の指示通りに社会は動き
  • 情報の選択ができず
  • あっと思った時には間違った指示が機械によって実行され
  • 人間がお互いに思いやるのは非効率とされ
  • 技能や知識の継承すら機械任せになる

そんな社会になってほしくはないのですが、そうなってしまう可能性はないでしょうか?

人工知能(AI)が何をするかは結局、作り手次第

次の記事は、人工知能を過大にも過小にも評価していない、ちょうどよい記事だと思います。

ビジネスコラム
AI(人工知能)は今、新しい製品やサービスとして、少しずつ私たちの社会や生活に入り込んできています。AIとはどのようなものなのでしょうか。また、AIの種類にはどのようなものがあるのでしょうか。AIの歴史やAIにできること、さらなる可能性につ...

「そのAIに何ができるか」は、使った技術、入力したデータによって決まります。制作者が出力を見て、調整したり、作り直したりすることも普通に行われています。

つまり人工知能(AI)を使うのは結局人間である、と言えると思います。

例えばこちら。よく週刊誌が言及する「新型コロナのGoogle予測」です。

Japan: COVID-19 Public Forecasts
Looker Studio turns your data into informative dashboards and reports that are easy to read, easy to share, and fully cu...

楽観的なムードをたまに壊してくれる以外に、ろくに予測を当てたことがありません。正直、真に受けて毎日見るような予測ではありません。

モデルの予測がその用途に適しているかどうかは、ご利用者様ご自身で判断していただく必要があり、Google はその結果について一切の責任を負いません。

COVID-19 感染予測 (日本版):ユーザーガイド

Google自身がこう書いており、少なくとも特定の日における具体的な数値予測としては使ってはならないデータのはずなんですが、週刊誌では「Googleの人工知能が予測!」と大々的に取り上げられます。

AIの過ちをめぐっては、有名なこの問題もあります。

https://japanese.engadget.com/jp-2016-03-24-ai-tay.html

人工知能(AI)は、作成者の意思と思考を代弁するもの

ある人工知能(AI)を作り、学習させ、結果を点検し、ゴーサインを出す。これは全部人間の仕事です。

それを行うのは、この社会そのものに影響力をもった人々であり、政府・GAFA、その他大企業が中心となるでしょう。

AIが自分自身で発達していくという「シンギュラリティ」の時代に入ったとしても、ダメなヤツの電源スイッチを切るのは人間だと思います。そこはあまり、人工知能が勝手に発達するんだ! と思い込むのは違うと思っています。

先ほどの図の右半分。タップすると拡大します。

このように考えると
Society5.0とは
人工知能を使って政府やGAFAがフィジカル空間に直接アクセスし
社会問題を自身の考える解決策に従って一方的に解決する時代
だとディスることができると思います。

そうならないことを祈ります。しかし、そうならないための「鍵」は、機械や技術の問題ではなく人間の問題、社会の問題だと思っています。

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Society5.0とDXがごちゃまぜになるのは何故なのか考えてみる

このように、「Society5.0」と「DX」は、かなり意味が違う2つのもの

その2つが、ほぼごちゃまぜで語られています。

どう考えたら、ごちゃまぜになるのでしょうか?

競争の勝利を求めて
企業がDXをしていけば
より良い商品やサービスが
広がるはずだ

という信念に基づいて、「DX」→「Society5.0」と考えているのだろうと思います。

しかし実際には
企業収益が動機であれば、お金を払えない人、行政の支援がない人は「顧客」ではないことになります。したがってその人たちをみすえた最適化は行われません。

けっきょくここでも、所得の不均衡や行政の施策が問題になるのです。

デジタルか否かは根本ではないと思います。

DXの行き先は
社会問題の解決ではなく
「社会問題のデジタル化」

にすぎない

そんなことにならないように祈っています。

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狩猟・農耕・工業・情報の次は、結局、何の時代?

さきほどのこの図に戻って考えてみます。

Society1.0 狩猟
Society2.0 農耕
Society3.0 工業
Society4.0 情報
Society5.0
Society 5.0とは | 内閣府

Society 1.0 狩猟→
Society 2.0 農耕→
Society3.0 工業→
Society4.0 情報
と歴史を整理するには、さまざまな異論もありましょうが、

その次に来るべき社会とは、いったいどんな社会なのでしょうか?

内閣府による「Society4.0の問題点」は次のようにまとめられています。

これまでの情報社会(Society 4.0)では知識や情報が共有されず、分野横断的な連携が不十分であるという問題がありました。人が行う能力に限界があるため、あふれる情報から必要な情報を見つけて分析する作業が負担であったり、年齢や障害などによる労働や行動範囲に制約がありました。また、少子高齢化や地方の過疎化などの課題に対して様々な制約があり、十分に対応することが困難でした。

Society 5.0とは | 内閣府

「知識や情報が共有されず、分野横断的な連携が不十分」なのは
単に情報が流れないからではありませんよね。まさか一方的に情報を流せば連携できるなんて思ってないでしょうね?

「あふれる情報から必要な情報を見つけて分析する作業が負担」ならば
人間が使うツールが発達すればよいですね。人工知能が代行すればいいとするなら、「何が必要な情報なのか」の判断まで人間のものではなくなってしまいます。

最近当店でも、オープンデータやGitHubなど、要約でないフルサイズのデータにExcelで簡単にアクセスできるため、さまざまな分析が非常に楽になっています。

年齢や障害による制約、少子高齢化、地方の過疎化などの問題。これは本当に解決しないといけません。

とどのつまりは「人間の時代」が切望されるのでは?

こうして考えますと、

結局「Society5.0」に望まれるのは
「人間の時代」そのもの

なのではないでしょうか?

Society1.0 農耕、Society2.0 狩猟の時代においては、人間が生きるために乗り越えなければならない障壁は、自然そのものでした。

Society3.0 工業の時代になり、自然に対する人間の支配力はとても大きくなりましたが、一方で貧困や差別、過重労働などの問題が顕著になり、結局人間が主人公になることはできませんでした。

Society4.0 情報の時代には、発展した工業力を人間が情報によって制御できるかに思えました。しかし結局は、人間自身を埋め尽くすほどの情報が流れ、社会問題は情報化だけでは解決できませんでした。

Society5.0 来るべき社会が、
人工知能が本物の人間をそっちのけにし、勝手な判断をダラダラと携帯端末に垂れ流すような時代になってはならないと思います。

敢えて「人間中心社会」と書かず「人工知能中心」にする。どうやら、どうしても産業と情報を人間の手に取り戻させたくない力が働いているように見えます。

昨今の新型コロナ対策では、多くの方が政府のコロナ対策に対して批判の声をむけています。

東京都・神奈川県は「濃厚接触者調査を縮小する」としましたが、個別の保健所によって対応が異なり、頑張って続けているところもあります。

そうした人間の「現場力」まで、「センサー情報に基づいて」「人工知能が」「自動的に」奪ってしまうような社会に、してはならないのです。

いかがでしたでしょうか。これぐらいディスった方が、「今、自分はDXとSociety5.0のために、何をすべきなのか」見えてくるような気がしませんか?

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