ある生徒さんが、派遣会社のスキルチェックを受けてこられました。今日、その詳しいお話をうかがったのですが、
「Wordに関しては、それほど高いスキルを求められている印象はなかった。Excelについては、「できればVLOOKUP関数とか、ピボットテーブルまで使えるようだと良い」と言われたそうです。
当パソコン教室のコースに置き換えますと、「Wordは基礎までで良いが、Excelは応用までできたほうが良い」ということになります。
これは、すでに転職活動をしていらっしゃる方にとっては、おそらく肌身で感じられていることと思いますが、なぜ、企業はExcelの方に、より高いスキルを求めるのでしょうか?
WordとExcelでは、スキルの意味が違う
基本機能に習熟することが求められるWord
実は、Wordの場合、たいていのビジネス文書は、「基礎」の範囲で作成できることが多いのです。
当パソコン教室で、「Word基礎」に入らない機能といえば、例えば「図形・図表・写真を使った文書」の中でも高度なもの、長い文章を手際よく作成・校正する機能などです。
これらの機能は、研究機関や出版社などでは使うかもしれませんが、普通の会社だと、全員に必須とまでは言えません。
一方、印刷会社に出すような原稿には、Illustrator(イラストレーター)を使ったりします。長い文章を作成する場合にも、章立て単位の編集や入れ替えが得意な「アウトラインプロセッサ」や、印刷出稿までできる「InDesign」など、よりすぐれたソフトはたくさんあります。
それでは、「より高いWordのスキル」とは、いったいなにを意味するでしょうか。
Wordのスキルが高い、ということは「基礎レベルの機能を使いながらも、きれいな文書が作成できる」「タイピングも含めて作業が早い」ということに重点があるように思います。
表を作るにしても、セルの大きさを適切なバランスにしたり、文書全体で体裁を整えたりするのは、案外難しいものです。写真一枚貼り付けるにしても、文字を重ねるのか、重ねないのか、重ねた文字をどうデザインするかで、見た目がまったく変わります。タイピングは、どんな高度な機能を知っていても練習する以外に速くなる方法がありません。このように、使っている機能は基礎的なものでも、その中でスキルアップが必要なのがWordです。
より高度な機能の習得が求められるExcel
これに比して、Excelの方は、冒頭で出てきたピボットテーブルに代表されるように、他のソフトでは実現できず、Excelにしかない高度な機能がとても多いのです。
Excelの場合にも、基本的な表作成や、整然とした書式設定など、基本機能に習熟することは必要です。しかし、Excelの場合は、日常業務の範囲で使用する関数や機能が非常に多く、それは知らなければ使えない、ということになるのです。
「Word、Excelできる方」をめざして
そういうわけで、スキルチェックをきっかけにして、なんだか目標が高くなってしまった感のある教室なのですが・・・・
大丈夫です。なんどもこのブログで言っていますが、基礎をおろそかにしない、分からないところをそのまま流さない、という姿勢で練習を続けていけば、スキルアップはかならずできます。(ピボットテーブルまでやりたい方は、一応、「Excel応用コース」を追加していただかないといけないんですが・・・)
今日も教室でお話ししたのですが、企業がVLOOKUPとピボットテーブルを求めるからといって、その学習から始めるのは、間違った学習法です。数式の取り扱い、セル参照の取り扱い、関数の使い方。そうした基本をおさえた学習法をしていれば、VLOOKUPなんて出てきた途端に理解できます。
(インストラクターとしましては、どちらかというと、VLOOKUPなんていう応用の効かない関数は大嫌いです・・・。INDEX, MATCH, COUNTIF, SUMIFなどの関連する関数と一緒に覚えていただきたいと思います。)
そしてWordのスキルアップは、なんといってもタイピング練習と、あとは実際に文書を作ってみることだと思います。練習問題にとどまらず、自分の日常の中でWordを使ってみることです。住んでいるマンションの掲示物なんかを、「私、作りますよ!」なんて言って、引き受けてみるのもいいかもしれません。(防水のラミネート加工は当教室でできます。) フォントや画像などは、使ってみなければ特性が分かりませんし、他人に見せる、評価を受ける場をもつことも必要です。
がんばる、という方には、とことんおつきあいいたします。
コメント
こんばんは。
お忙しい中、ご教授頂きありがとうございました。
>複数シートをまたいでデータを連結するには、ピボットテーブルは不向きです。
ですが、
理解しました。
でこういう場合は
>この場合例えば、「データの取得と変換」(Power Query)の機能を使って、
>複数シートのデータをひとつのテーブルに結合してからピボットテーブルを作成するのがよ
>いと思います。
Power Queryの出番になるのですね。
いよいよPower Queryを学習しなければいけないかもです。
お忙しい中、ご解答、ご教授して頂き有難うございました。
そうですね、Power Query良いですよ。いろいろなできなかったことが、一挙に解決します。ぜひぜひ。
早速のピボットテーブルのご教授ありがとうございました。
>日計表から1週間の合計を算出するという場合、日計表の内訳が特に仕訳の必要がないので
>あれば、普通に関数でテーブルを組むのが適切でしょう。
はい、
おっしゃる通り、普通に関数でことたりそうでした。
>元データに新しい日計を追加した後、「ピボットテーブルの更新」をおこないます。
ですが、
元シートにデータを追加の場合はご教授頂いた更新のことを理解しておりますが、
1日分の日計表(シート)が増えたので1週間の合計をしてある「ピボットテーブル」に追加したい場合です。
ピボットテーブル作成ウィザ-ドで
この場合は
例えばですが作成時に[追加]ボタンをクリックして、[10月1日分]、
[10月2日分]、、、、、[10月6日分]の範囲を追加して、
[次へ]のボタンをクリックし、
ピボットテーブルレポートの作成先を指定し、
ここで、[新規ワークシート]を選択し,[完了]ボタンをクリックし終了しました。
そのあとに、作成済のピボットテーブルに
新たに
例えば[10月7日分]のシートを追加したい場合ですが
この場合は新たにピボットテーブル作成をしないと新しいシートは追加できないのでしょうか。
上手く簡潔に記述できなくてすいません。
お忙しいのは承知しておりますので、お時間が空いたときにご教授頂けると幸いです。
宜しくお願い致します。
ご返信遅くなりました。完全ではないかもしれませんが、状況理解できました。
つまり、複数シートにまたがって、データ範囲を追加しようとしているわけですね。
複数シートをまたいでデータを連結するには、ピボットテーブルは不向きです。
この場合例えば、「データの取得と変換」(Power Query)の機能を使って、複数シートのデータをひとつのテーブルに結合してからピボットテーブルを作成するのがよいと思います。
いつもお世話になります。
「ピボットテーブル」のことですが、「ピボットテーブル」と「ピボットテーブル」でまた「ピボットテーブル」を作成はできるのでしょうか。
例えば、日計表から1週間の合計の「ピボットテーブル」作成し、
1週目から4週目までの4つの「ピボットテーブル」を
1週目から4週目まで合計した
月計の「ピボットテーブル」を作成できるのかなあと考えましたが
「ピボットテーブル」から「ピボットテーブル」の作成はできませんでした。
また、いったん作成した「ピボットテーブル」にはシートを追加できないのでしょうか。
ただの関数なら串刺しなら追加でいけたのですが、
例えば日計表から1週間の合計の「ピボットテーブル」作成したときに
1日分日計表が増えたので1週間の合計の「ピボットテーブル」追加したい場合です。
お忙しいなか大変ご迷惑をお掛けしますが、
ご教授お願い致します。
こんばんは。ピボットテーブルは、例えば日別・現場別・従業員別などの「仕訳がされていない」生のデータに対して、条件を自在に変化させた仕訳を行い、高速で集計する機能です。
ピボットテーブルをもとに、さらにピボットテーブルを作る、という操作は、この、自在に変化するものをもとにして、さらに自在に変化させることとなり、矛盾があります。それは基本的に想定されていません。
複数の仕訳条件で作成したピボットテーブルを、切り替えずに、同時に複数シートに表示するには、レポートフィルターページ、という機能があります。
日計表から1週間の合計を算出するという場合、日計表の内訳が特に仕訳の必要がないのであれば、普通に関数でテーブルを組むのが適切でしょう。
そうでなく、ピボットテーブルによって任意の条件で仕訳を行った週合計が欲しいのであれば、元データに新しい日計を追加した後、「ピボットテーブルの更新」をおこないます。ピボットテーブル内で右クリック→更新 で良いです。
このとき、ピボットテーブルのデータソースの範囲が、1日分増えた日計表の範囲も含んでいる必要があります。このため、もとの日計表は、テーブルに設定しておくと自動的に範囲が拡張されますので便利です。
1つのファイルで延々と毎月の分を追加しているのはナビゲーションウィンドウで探すのが早いのですね、ご教授ありがとうございます。
>それぞれ、流儀のようなものがあったりしますよね。
>最初に作るときにそうやってしまって、変えられなくなっていることもあると思います。
おっしゃる通りだと思います。
どこかで、誰かが変更しないとめんどくさいが続きそうです。
1つ1つのファイルで名前をつけてファイルでまとめていこうと思います。
変な流儀のようなものにこだわる人がいなければですが、、、、、。
アドバイスありがとうございました。
いつもお世話になります。
ご教授おねがい致します。
ワードでの文書の追加の基本についてです。
例えばですが、
エクセルでは、ブックで「2023年売り上げ」で
各シートに「1月分」、「2月分」、、、、、、、とシートを追加していくのが
一般的でやりやすいのですが、(例外的というか、内容によっては、ブックで各月ごと
保存していく場合もありますが、、、、)
ワードの場合、
一般的には、
1つのファイルにページを追加していくと、後で目的のページを探すのが分かりにくいので
例えばですが
2023年1月分回覧文、2023年2月回覧文、、、、と保存していくのが一般的なのでしょうか?
又は、
2023年回覧文とファイ名にして、ファイルの中に、1月分回覧文を作成して
改ページして、
2月分回覧文を作成としていくのでしょうか?
私的にはエクセルのようなシートがないので
1年分をファイルにまとめると探すのが大変だと考えたのですが
ワードの素人なので、
もしかしたら一般的には
2023年回覧文とファイ名にして、ファイルの中に、1月分回覧文を作成して
改ページして、
2月分回覧文を作成としていくのが基本だったら、大変だと考えました。
初歩的質問ですいませんが、
ご教授お願い致します。
こんにちは、いつもご覧いただきありがとうございます。
各月の回覧文を、資料として保存していきたい、という趣旨ですね。
Wordだと、おっしゃるとおりで、ひとつひとつを別ファイルとして保存していくのが一般的で、一番管理しやすいのではないかと思います。それを、例えば年ごとのフォルダに分類することもありますね。
ひとつの文書のページを追加していく方法は、まとめて全部印刷する目的であれば、一分の利がなくはないですが、おっしゃるように、探すのが大変になるかとも思います。
ご解答ありがとうございました。
勤め先ではなぜか1つのファイルに改ページして追加しています。
探すのが大変です、、、、何のこだわりかわかりませんが、、、
それぞれ、流儀のようなものがあったりしますよね。
最初に作るときにそうやってしまって、変えられなくなっていることもあると思います。
一文書にまとめた場合は、たとえば、各文書の特定の箇所に「見出し1」などのスタイルを設定しておくと、ナビゲーションウィンドウから簡単にクリックで移動することもできます。どうしてもその形を変えられない場合は、検討してもよいかもしれません。
今年は色々と奧の深いご教授をありがとうございました。
おっしゃる
>「エクセルで文書を作成する」という間違った習慣を、根絶やしにしたい、とさえ考えております。
の意味も身をもって理解出来ました。
エクセル万能の考えはもうなくなりました。
これからは、エクセル、ワード両刀使いで行きたいと思います。
今回の教えて頂いたことは今までなにをやっていたんだという思いです。
同僚にこの件を話したら、
「何をしてるの、エクセルでやっていたら日が暮れるよ、又は残業だよ」と
あきれていました。
優秀な人は両刀使いだったのですね。
いまさらながら、自分の不出来にきずき、はずかしい思いをしました。
先生、本当に色々な意味でありがとうございました。
わざわざのご回答ありがとうございます。
お手数をおかけしました。
現状ではまず
「1ページの大きさのテキストボックスを配置しする」
「その中に今の作成した文章をコピペする。」
それを作成したページ数を繰り返す。
が、すでにエクセルで作成してしまったものにはいいでしょうか。
それともワードに移すというのはコピペで移すということでしょうか。
いつも質問が素人で申し訳ありません。
お忙しい中お時間があればご教授お願い致します。
本当のところをいいますと、「エクセルで文書を作成する」という間違った習慣を、根絶やしにしたい、とさえ考えております。
エクセルは、1ページのサイズも一定しませんし、行方向の文章送りもできません。段組みもなければ、段落単位のインデントもありません。ありとあらゆる意味で文章には不向きなのですが、どういうわけか、エクセルで文章を作成している職場が多いのです。
日誌などのように、データとして蓄積することが目的であれば、一利はあるのですが、純粋に文書としてエクセルで作成することは、まったくおすすめできません。
どうしてもエクセルファイルで提出して下さい、という指定がある場合には、テキストボックスに配置するのが苦肉の策、とも言えますが、基本的には、コピペでワードに移していただくのが最適だと思います。
ご教授ありがとうございました。
ご教授頂いた通り、コピーワードに張り付け
文字をベタ打ち、整え、だったらワードがはるかに楽でした。
簡単に文字サイズ変更できて両端揃えも簡単にできて時間が半分以下でできました。
なにか普段使うのはエクセルばっかりなのですべてエクセルでして、エクセルは万能と
思い込んでいました。
ただ1つエクセルだったら簡単にできるのにワードは不便だなあと思ったことがあります。
1,あああああ 1,かかかかか 1,
2,いいいいい 2,ききききき 2、
3,ううううう 3,くくくくく 3,
4,えええええ 4,けけけけけ 4,
5,おおおおお 5,こここここ 5,
のような文章を入力するときに結構時間がかかりました。
こういうのならエクセルならすぐなのになあと思いました。
段落記号、箇条書きのタブを使用しても、最初の左列に改行を入れたら
2列目には改行を入れれなくて、スペースで間隔を1つ1つあけなくてはならず
手間でした。
こういう場合はやはり、ワードだと手間がでてくるものですか。
おっしゃるようなものをWordで作るには、案としては
![表を使って作った箇条書き](data:image/gif;base64,R0lGODlhAQABAAAAACH5BAEKAAEALAAAAAABAAEAAAICTAEAOw==)
1.段組みを使う
2.表を挿入する
というふたつの案があります。
Excelになれた方は、表を挿入する方法が一番分かりやすいと思います。
この例では、表を挿入して、1セルごとに文章を入力し、最後に罫線を消しています。
そうでなく、1セルの中に改行しながら5項目入れてもかまいません。
データとして処理するのでなく、文書で作る場合は、Excelの方がやりやすいことは、まずないと思います。
単に、皆さんあまりWordの機能をご存じないだけです。
いつもお世話になってます。
エクセルとワードでこの記事にたどりつきました。
エクセルでセルを18ピクセルぐらいにして、方眼紙にして、10ページぐらいの文章を作成しましたが、文字サイズが小さく、大きくしたいのですが、大きくすると文章が、ページからはみ出して、ページ調整とか1文を短くして下の文に足したりとかで非常に面倒になりました。
ページ設定を変更せず、文字サイズを大きくする方法はないでしょうか。
ご教授お願い致します。
コメントありがとうございます。はい、その問題ですね…
>>ページ調整とか1文を短くして下の文に足したりとかで
そうです、Excelで長文を作ると、そうなってしまうのです。
「ページ設定を変更せず、文字サイズを大きくする方法」それは、Wordを使うことだと思います。
何か、「Wordではだめな理由」があるのだと思いますが、「文章を作る」という目的に関する限り、それはWordをよりよく知ることで解決できるもののことが多いです。
ぜひ、文章をWordに移しておためしください。
(どうしてもExcelでやろうとするならば、それは、「1ページの大きさのテキストボックスを配置して、その中に入力する」方法になるのではないかと思います。)