Office 2019 Professional Plus Click To Run のインストール方法を解説した過去の記事で、コメント欄を多くの方にご覧いただいているようなので、その内容も盛り込んだ新記事を公開いたします。(2025/5)
Office 2021 LTSCや、Office 2024 LTSCのインストール方法の解説記事です。
Microsoft Officeをボリュームライセンスで購入した場合、インストールは「Office Deployment Tool」を使用することになります。
公式の解説記事はこちらです。

この「Office Deployment Tool」が、なかなかやっかいで、予備知識がない状態で、がんばってトライすると、絶対に一回ではうまくいきません。
特に、当サイトへのアクセス数を見ると
「This product can’t be installed on the selected update Channel.」というエラーに遭遇されている方がかなり多いようです。
このエラーの意味と解決方法についても解説します。
Microsoft 365 管理センターからOffice Deployment Toolを入手
まず、インストールに必要なOffice Deployment Toolを入手します。
以前は「ボリュームライセンスサービスセンター(VLSC)」からの入手でしたが、廃止されましたので、Microsoft 365 管理センターからダウンロードします。
Microsoft 365 管理センター
課金情報→お使いの製品→ボリュームライセンス
→ダウンロードとキーの表示
(↑クリックするとそのページに飛べるようリンクを貼ってあります)
→該当製品(Office LTSC Professional Plus 2024など)

自己解凍形式(.exe)のファイルがダウンロードされます。
このファイルをダブルクリックで実行し、解凍したファイルの保存場所を指定すると、中身が解凍されて、使用できる状態になります。

ここまでできたら、コマンドプロンプトでインストール作業をしていくことになります。
同梱のXMLファイルは基本的に使えない
このまま何となく
setup /download configuration-Office365-x64.xml
とやっても、エラーになって絶対うまくいきません。
このXMLファイルは、このままでは使えないものとお考え下さい。
同梱されているXMLファイルは、Enterpriseライセンス用のサンプルです。
ボリュームライセンス用に最適化されたXMLファイルとしては使えませんので、別途作成する必要があります。
このあとで作成方法を解説します。
展開用の設定ファイル(configuration.xml)の準備
XMLファイルは自分で作らないといけないのですが、実はちゃんと方法が用意されています。
「Officeカスタマイズツール」を使ってXMLファイルを作成する
Officeカスタマイズツールを使って、目的の製品を正しくインストールできるXMLファイルを取得することをおすすめします。

各項目を埋めていくだけで、正しく動作するXMLファイルを入手することができます。
・「製品とリリース」を正しく選択してください。
・そのほかの項目は、ほとんど既定のままでOKです。
・「ライセンスとアクティブ化」の項目について
ライセンスキーで一台ずつ認証する場合は「KMS」でなく「MAK」を選択し、ライセンスキーを入力してください。(下図)
・すべての項目を設定したら、右上の「エクスポート」をクリックします。

・「既定のファイル形式」のダイアログは、「現在の設定を保持する」で大丈夫です。(下図)

使用許諾に同意する画面で、同意すると、このようなXMLファイルがダウンロードされます。
このままインストールに使用することができます。

最低限しか書いてないXMLファイルを使う方法もあります
しかしこんなこと言っておきながら、実は当店の場合、構成ツールは使っていません。
たまに数台インストールする程度なので、非常に簡略化したXMLファイルを使用しています。

赤枠部分だけちゃんと書いておけば、この最小構成のXMLファイルでも、正しくインストールを行うことができます。
余計なことを書いてないので、エラーの原因が少ない、というメリットがあります。
Officeカスタマイズツールを使う方法がおすすめですが、どうしてもエラーが出てしまう場合は、こちらの最小構成で試すと、とりあえずインストールはできる場合があります。
最小構成のXMLファイルでは、次のような処理はインストールプロセスでは行われません。自分で手動で行う必要があります。
・既存のOffice製品のアンインストール
・キーの入力とライセンス認証
・多言語ファイル、翻訳ツールのインストール
最小構成のサンプルファイルをダウンロードできます
いまご紹介した、最小構成のサンプルファイルを、ダウンロードできるようにご用意しました。
ご提供するほどの内容ではないのですが、作る時間がないなどの際にはご利用ください。
zip形式でダウンロードでき、次のような構成になっています。

xmlファイルが、いまご紹介した最小構成のxmlファイルです。
バッチファイルは、このあとのインストールがちょっとだけ便利にできるように工夫して作成したものです。使い方はこのあとご紹介します。
ここには、実行ファイル setup.exe は同梱しておりません。ライセンス違反になることもありますが、どうせ同梱しても動作しないためです。setup.exeは、ご自身でMicrosoft 365 管理センターからダウンロードして、同じフォルダに入れてください。
実際にインストールを行う
設定用XMLファイルが用意出来たら、実際にインストールを行います。
フォルダに必要なファイルをまとめる
インストールに使うファイルを、ひとつのフォルダにまとめます。
- setup.exe
Microsoft 365 管理センターからダウンロードした Deployment Toolsに同梱されていたもの - さきほど作成したxmlファイル
(下のスクショでは、そのほかに、当記事でダウンロード提供しているサンプルに同梱したバッチファイルが入っています。)

setup.exeは、インストールの都度、Microsoft 365 管理センターからダウンロードしてください。
おそらくですが、ダウンロード日時で期限が設定されているようです。
当日に数台インストールする分には問題なかったのですが、ずっと前にとったものを、保存しておいて流用すると、インストールできませんでした。
そのフォルダで管理者権限のコマンドプロンプトを開く
コマンドプロンプトを開いて作業します。「クライアント コンピューターに対するローカル管理者のアクセス許可が必要です。」と書いてあるので、管理者権限で開いてインストールします。
コマンドプロンプトを右クリック→「管理者として実行」します。UACが出ますので「はい」をクリック。


ここから、インストールファイルをまとめているフォルダまで移動します。
めんどくさいので、次のような方法を使っています。

ダウンロードとインストールを行う
ここまで準備できたら、次のコマンドでダウンロードを行います。

反応がないので不安になりますが、フォルダ内に「Office」というフォルダが作成され、中にかなり大きなcabファイルなどがダウンロードされているのをご確認ください。

ダウンロードが完了すると、コマンドプロンプトが次のコマンドを要求してきますので、次のようにインストールを行います。

今じっさいにインストールを試して良い環境がないため、このあとのスクショがご用意できません。申し訳ありません。
「Microsoft 365」または「Office」というスプラッシュウィンドウが開き、We’re getting ready とかいいながらインストールが進んでいき、完了すると「完了しました」の表示になります。
本記事のサンプルファイルをダウンロードした方はバッチファイルで簡単に
本記事でご提供したサンプルファイルを使用してインストールする方は、バッチファイルにあらかじめコマンドが記述してありますので、ただ単に次のようにしてインストールを行うことができます。

インストール時のエラーと対処法
様々なエラーに遭遇して、インストールに失敗する事例がかなりあるようです。
以前の記事にコメントで質問いただいたエラーメッセージについて、現在のところ当店で判明している原因と解決法をまとめます。
We can’t install – This product can’t be installed on the selected update Channel.
XMLファイルに指定されている「更新チャネル」が製品と矛盾しているか、そのマシンの管理者によって異なる更新チャネルが指定されている、などの原因が考えられます。
(例えば、ボリュームライセンス版には「Current」チャネルはありませんので、この指定をするとエラーになります)
Officeカスタマイズツールを使ってXMLファイルを作成すると、あり得ない設定はできないようになっているため、このエラーは出にくいようです。まだ試されていなければ、お試しください。
それでも、選択内容が管理者の設定と異なると、このエラーが出てしまうかもしれません。解決しない場合は、御社のシステム管理者にお問い合わせください。
また、ただ単にOfficアプリをインストールしたいだけならば、当店で普段使っているような最小構成のXMLファイルですんなりインストールできるかもしれません。
Error code:30125-1007
以前の記事のコメント欄でご回答した内容を再掲します。
複数の情報元が、言語パック関係のエラーだと指摘しています。

https://social.technet.microsoft.com/Forums/sqlserver/ja-JP/17813f7e-60bc-4ec2-b5e6-7a7c73c27907/office-2019-customization-tool-error-code-301251007-404?forum=Office2016setupdeploy
「存在しない言語パックを含めている」
「言語パックとProofing Toolが重複している」(言語パックが入っている場合はProofing Toolは含めない)などの原因が示唆されています。
Error Code : 30182-44 (2)
すでに他のバージョンのOfficeがインストールされている場合に出るエラーのようです。
「え、でもさっきOfficeはアンインストールしたのですが…」という方もいらっしゃると思います。
Officeをアンインストールしたのに痕跡が完全に消えていないことがあります。特に、複数のバージョンのOfficeを、何度も入れたり消したりした場合に発生します。
この場合は、Microsoft謹製のアンインストールツールを使用して、完全アンインストールしてください。

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