教室で、「印刷技術も進歩しましたねー」という話になりました。
「そういえば、プリンターはどれくらい速くなったんだろう」
2000年前後の状況と今を比べてみると、プリンターのラインアップがものすごく変わったことに驚きます。
当時より確かに技術も進歩したし、プリンターメーカーの考え方も変わりました。
そんな中で
「印刷量が多いので、とにかく速いプリンターが欲しい」
というご質問に対するお答えが、以前とはまったく変わっています。
ラインインクジェットプリンターという選択肢
最近出そろってきた、「ラインインクジェットプリンター」という注目すべき技術があります。ケタ違いの速度をたたき出しています。
業務用プリンターに革命が起こっていると言ってもよいでしょう。
本記事では、この技術を詳しく取り上げます。
60~160枚/分 ケタ違いに速いラインインクジェットプリンター
ラインインクジェットプリンターの特徴は、とにかく高速で印刷コストが安いこと。
従来のプリンターでは、どんなに頑張っても毎分30枚程度が限界ですから、いかに速いかということです。
ラインインクジェットプリンターの仕組み
ラインインクジェットプリンターと、普通のインクジェットプリンター、どこが違うのでしょうか。
仕組みの違いが分かりやすい動画がありましたのでご覧ください。
従来のインクジェットプリンターは、ヘッドが左右に動くたびにヘッド幅の分だけ印刷され、縦方向の紙送りによって全体に印刷していました。
ラインインクジェットは、用紙の横方向を大きなヘッドで一瞬で印刷します。これに紙送りを加えることによって、超高速の印字を可能にしているのです。
レーザープリンターとの違い
これまで、速いプリンターといえば、レーザープリンターだと言われてきました。その仕組みはどのようなものでしょうか。
分かりやすい動画をご覧ください。
ラインインクジェットはレーザーより高速・省電力
レーザープリンターの場合は、
帯電→露光→現像→転写→定着
この全工程にかなり大きな電力を消費します。最後に過熱して紙にトナーを定着するため、使えない用紙がかなり多いのも弱点です。
これに対して
ラインインクジェットプリンター
印字(それだけ)
です。シンプルですし、必要な電力も非常に小さなものです。熱も発生しません。
インクジェットでも実はにじみにくくなっていた
インクジェットの印刷はにじむ。それが一般常識なのですが、ラインインクジェットプリンターではそれも克服されてきています。
動画で紹介した2社のインクは、「顔料インク」を使用しています。これは、紙にしみこむタイプ(染料インク)ではなく、「紙の表面にこびりつくインク」です。
顔料インクにすると、いったん乾いたインクは簡単にはにじみません。教室の顔料インク採用プリンターで印刷したものをびしょびしょに濡らしてみましたが、まったくにじみはありませんでした。
レーザーでも遅い、と感じていた方の福音
いかがでしたでしょうか。ラインインクジェットプリンターは、従来のレーザープリンターでも遅いと感じるほど大量の印刷をする方には、まさに福音というべき技術です。
当店は別に代理店でもなんでもありませんが、以前プリンター売り場にいた元店員としましては、非常に注目すべき技術であると思います。
ラインインクジェットプリンターの主なメーカー
最後に、ラインインクジェットプリンターを販売しているおもなメーカーへのリンクを貼ります。
理想科学―「オルフィス」シリーズ
エプソン―「スマートチャージ」最上位モデル
キヤノン―WG7350シリーズ
HP―「HP PageWide」シリーズ
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