最近になって
「ふと気が付いたら、「Outlook」が起動していた」
「仕事用のOutlookが、なんか違う画面になって驚いた」
といったご相談がちょくちょく入ります。
「メール」と「Outlook」が統合されて「新しいOutlook」に
これまで、マイクロソフトのメールアプリは、「メール」と「Outlook」の2種類ありました。
どうやら、その「メール」と「Outlook」を、「Outlook」に一本化する方針にしたようです。
ここがややこしいんですが
Outlookに一本化するといっても、こうじゃなくてこうなんです。
- メールをOutlookに吸収合併するんじゃなくて、
- Outlookという同じ名前の新しいアプリをリリースして、そこにメールとOutlookを吸収する
- 今まで「メール」を使ってきた方は、「Outlookに変わった!」という見え方になります。
- 今まで「Outlook」を使ってきた方は、「Outlookの画面が全然違うのになった!」という見え方になります。
新しいアプリなのに、同じ名前にするなんて、ややこしくてしょうがないですね…
「新しいOutlook」に切り替わる前に、確認画面が必ず出ます
今のところ 、「新しいOutlook」は強制ではありません。
切り替わる際には、必ず確認画面が出ているはずで、そこで「続行」など、承認するボタンを押しているはずです。
「続行」を押すと、「新しいOutlook」に切り替わります。
「後で」を押すと、そのままの環境で操作を続行できます。
「メール」は2024年末、従来の「Outlook」は2029年に終了
新しいOutlook」、2024年8月にテスト段階を終了し、「一般公開(GA)」になりました。
現時点では、まだ「メール」や従来の「Outlook」に戻せます
現在はまだ、いつでも以前に戻せる状態です。
不便を感じる方は、どうぞ今すぐ戻してください。「元に戻すボタン」がついているはずです。
【2024/9更新】戻し方は、現在、下記の3パターンあるようです。ご自身の画面をよく確認して戻してください。
「メール」アプリは、2024年12月31日で終了、元に戻せなくなります
「メール」アプリは、2024年末で強制的に「新しいOutlook」に置き換わるようです。
Windows メール、予定表、連絡先が Outlook になります | Microsoftサポート
従来の「Outlook」は、2029年までは使用可能、元に戻せるようです
報道によれば、従来のOffice製品の「Outlook」は、少なくとも2029年までは使用可能だそうです。それまでの間は、いつでも上記の手順で元の「Outlook」に戻すことができます。
「新しいOutlook」は、ウェブ版Outlookにそっくり
今のうちに「新しいOutlook」に慣れておきたい、という方は、ウェブ版のOutlookを使っていただくとよいと思います。そっくりです。
というのはつまり、「新しいOutlook」のアプリは、Webベースで作られているのだと思います。アプリの構造が、ブラウザ(Edge)をベースに作られていて、基盤的なプログラムはウェブ版と共通なのでしょう。
ウェブ版のOutlookが、「新しいOutlook」と違うのは次のような点です。
- Microsoftのメールアカウントでしか使用することはできません。
(outlook.jp, outlook.com, hotmail, Microsoft 365を利用している会社や学校のメールなど) - 一画面につき、1つのメールアカウントしか表示できません。複数のメールアドレスをフォルダーで管理する機能はありません。
ですが、画面のデザイン、ボタンの配置などは、「新しいOutlook」とほぼ同じです。不具合が出たりしない分、現時点では「新しいOutlook」より快適です。
ウェブ版Outlookには、次のURLからアクセスし、ログインします。
個人用のMicrosoftアカウントの方
https://outlook.live.com/mail/
会社や学校のMicrosoft 365の方
https://outlook.office.com/mail/
※リンクに自動的に抹消線(このように)が表示されていますが、リンク先でログインが必要であるためです。クリック後ログインすると、ご自分のメールがウェブ版Outlookで送受信できます。
フィードバックが簡単に送れるようになっている
「新しいOutlook」では、フィードバックが簡単に送れるようになっています。
このように、「ヘルプ」タブに、とても分かりやすい「フィードバック」ボタンがあります。
正式版になったとはいえ、Microsoftは結構フィードバックを受け付けて、柔軟に直してくれるようになりました。
何か問題があった場合、気軽に「サポート」や「フィードバック」を利用するつもりで使っていただければよいと思います。
新しいOutlookの特徴・注意点(追記中)
2024年8月、新しいOutlookが全面的に正式版となったことをうけ、機能の確認をおこなっています。
確かに、存在した不具合のいくつかがなおっており、正式版らしい感じになりました。
従来の「メール」には割と近いですが、「Outlook」とは結構違うので、ただいま機能の確認中です。
少しずつ本記事に追記していきます。
【要注意】送信ボタンを押した後、実際の送信が遅い。未送信メール警告が出ない
最近たびたび困っている注意点として、
・送信ボタンを押した後、実際に送信するまで猛烈に待たされる
・うっかり送信前に閉じても警告は出ず、未送信のまま「送信トレイ」または「下書き」に残り、相手には届かない
という問題があります。
旧Outlookでもいくらか時間かかかりました。しかし、未送信のまま閉じようとすると「送信トレイに未送信のメッセージがあります。このまま終了すると、次にOutlookを起動するまでメッセージが送信されません」といったプロンプトが出て気づくことができました。
ところが、
「新しいOutlook」では、「未送信のメッセージがあります」プロンプトが出ません。
何の問題も無くOutlookを閉じることができ、かつ、メールは送信されていません。
しかも、次に「新しいOutlook」を起動しても、自動的に送信されません。
未送信のメッセージは、タイミングによって「下書き」に残ったり「送信トレイ」に残ったりします。
つまり、めちゃくそまずい状態になるのです。
まだ当店でも完全に防げてはいないのですが、この問題を防ぐためにやっていることは
・送信ボタンを押したら、送信済みアイテムに切り替えて、そこに今送ったメールが出てくるまで待つ
・送信ボタンを押した後、「新しいOutlook」を閉じそうになるのをこらえて、開いたまま次の用事にとりかかる
などです。
これでも完全に防げていないので、やばいです。得意先から怒りの連絡が来ることを思えば、じっと待つようにした方がいいと思います。
旧Outlookの機能で、なくなった機能と、代わりに使えそうな機能
「新しいOutlook」では、旧Outlookのいくつかの機能が、ごっそりなくなっています。
あの機能、この機能がになくなっているというよりも、アプリの構造そのものが根底から変わったようなので、別物になった、という感じです。
目についた限りで、なくなった機能を挙げてみますと
- メールテンプレートの機能
(新規メール→フォームの選択→ファイルシステム内のユーザーテンプレート) - メールのエクスポート/インポート
- 受信ルールでデスクトップ通知を表示
これらの代替として、どんな方法が可能か、現在探りながら使用しています。
ただ、どうも、ウェブベースのアプリでは実現できなさそうな機能もありますので、やはり「新しいOutlook」は、旧Outlookの完全互換にはならない、と考えるしかないと思います。
デスクトップ通知が廃止→「先頭でピン留め」で代用
「新しいOutlook」ではデスクトップ通知が表示できなくなりました。
見落としてはいけないメールが届いたとき、デスクトップ通知を表示していた方も多いと思いますが、できなくなったわけです。
そこで、当店では代わりに、「先頭にピン留め」というルールで対応しています。
このルールを適用すると、メールボックスを開いたとき、指定した条件をみたす重要なメールが必ず先頭に表示され、見落としを防ぐことができました。
「ファイルシステム内のユーザーテンプレート」廃止→拡張機能で対応
送信メールのテンプレートをあらかじめ作っておくことができなくなりました。
そこで、メール作成画面のリボンに出てくる「アプリ」→TemplateManager365 を試しています。
初回使用時は、右下の「アプリの追加」からTemplateManager365を探して追加します。
「アプリ」ボタンは、メール作成中のリボンしか出て来ませんのでご注意ください。また、正式版になる前の「新しいOutlook」では、このボタンが出なくなってしまったケースがたびたびありました。
この拡張機能が、今のところみつけた中では唯一、件名+本文が両方保存できましたので、旧テンプレート機能の代わりに一応使えています。
表示が全部英語なので、英語がわからないとつらいかもしれません。
コメント
旧outlookの「個人用の連絡先」の「新しいフォルダグループ」に該当する作成方法がわからない。
こんばんは、コメントありがとうございます。確認に手間取りまして遅くなりました。
「新しいフォルダーグループ」という機能がどうしても確認できず、「新しい連絡先グループ」については確認ができました。
連絡先グループに複数の連絡先を登録し、そのグルーブ自体の独自のメールアドレス(元アカウントと同じドメインの、実際には存在しない、連絡先グループを意味するエイリアス)を設定すると、以後は、その設定したアドレス宛に送信することで、全員に一斉送信できる機能です。
「新しいOutlook」では
1.左端にある連絡先アイコン(People)をクリック
2.連絡先グループを設定したいアカウントの連絡先を展開
3.展開したものの最下部にある、青い「グループに移動」
4.リボンの「新しいグループ」
という手順で作成できました。名称は「グループ」です。