本日は、出張サポート日記・時々フリーズするパソコン-富士見市 の、続編です。長いので前編・後編に分けています。結局前・中・後編の三部構成になりそうです。
中編はこちら ときどきフリーズするVAIO を修理(中編) 修理完了した後編(完結編)はこちら ときどきフリーズするVAIO を修理(後編)
前回、出張修理にうかがった時は、目の前でフリーズするほどではなかったため、無理をせず、動作を軽くするチューニング程度にとどめて対応を終了して、様子を見ていました。
すると、数日後やはり、「朝起きたらフリーズしていて、勝手に再起動した」というご連絡。
大切なデータがたくさん入っているパソコンなので、おいそれと簡単にはいじれないのですが、このご連絡で、当方も決断し、以下の内容での修理をご提案しました。
- 内蔵HDDのクローン作成(HDDを取り出して完全に同じものを作成し、万一のデータ消滅に備える)
- CPUの交換
- 内蔵HDDの新品クローンへの交換とリカバリー
内蔵HDDのクローンを作成するわけ
パソコンの動きがおかしい時、リカバリーはよくおすすめする修理なのですが、あえてリカバリー前のクローン作成をご提案したのは、当店のポリシーです。
リカバリーしてデータを全て消してしまうわけですから、「リカバリー前にバックアップをとってくださいね」と一言言うのは簡単です。でも、自分の使っているソフトのデータが、どこにどれだけあるって、正確に把握している人が、どれだけいるでしょうか? そんな中で「バックアップをとってください」だけでは、修理屋の責任逃れみたいになってしまいます。
もちろんクローン作成には、新品のHDDを一基買わなければなりませんし、手間もかかりますから無料というわけではありません。でも、一万円程度で、「前のHDDが丸々残せる」のですから、ご提案だけはした方がいいと当店は考えています。
今回なぜCPUまで交換したのか
今回、CPU交換をご提案したところ、ご依頼主様も「やることは全部やったから、あとはもう、それかなと思ってた」といって、すぐにご了承いただきました。
実はこのパソコン、一度冷却ファンが故障しています。それで、SONYが引き取り修理を行っています。
冷却ファンが故障すれば、パソコン内部、とくにCPUの熱は、逃げ場を失ってしまい、CPU自身を傷つけます。
実際に触ってみる機会なんてほとんどないので、実感がわきにくいのですが、作動中のCPUの熱というのはものすごいものです。それで、CPUには必ず「ヒートシンク」「クーラー」という部品が、熱伝導性のシリコンをはさむ形で密着して設置されています。
かつて私が、ためしに、ヒートシンクをつけないまま裸でCPUを稼働させたところ、OS起動のはるか手前で触れないほどの高温になり、停止してしまったことがあります。
それほど熱いものが、ファンが回らないまま一定期間稼働したわけですから、何かしらの損傷があってもおかしくない状況ではあったのです。そこへ、今回おっしゃっているフリーズが発生しています。冷却不足のパソコンが真夏に停止することは、しばしば見受けられる現象で、「熱暴走」と呼んでいます。
故障の経歴と、出ている症状からいって、「CPUが熱暴走しやすい状態になっているのではないか?」という疑いが濃厚なのです。
そこで思い切って、中古CPUを入手して、交換してみることにした、というわけです。
VAIO、到着。
今回は、教室のレッスンがあったため出張はできず、ご依頼主様が当教室まで持ち込んで下さいました。レッスンするかたわらで処置は難しいため、今回は自宅に持ち帰りました。
交換用の部品一式は、すでに調達してあります。ご要望で、ついでにHDDとケースをもう一基ずつ仕入れ、追加の外付けHDDもひとつご用立てすることになりました。
さていよいよ、このVAIOの分解修理が始まります。続きは中編にてご紹介いたします。
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