パソコン教室へのお問い合わせで、
「パソコンの使い方を知りたい!」
というのがあります。
そんな方におすすめするレッスンは、多くのパソコン教室では次のようなものです。
- キーボード・マウスの使い方
- アプリの起動の仕方
- ウィンドウの操作の仕方
「パソコンの使い方を知りたい!」という方へのお答え、それで本当にいいのだろうか?
と考えることがあります。
実際のところ、そういうレッスンをしても、
- いまひとつピンと来ない、覚えられない
- レッスンしてもパソコンできるようになった気がしない
そんなことが結構あるんです。
この記事は、日々のレッスンの中で、そんなことを思いながら書いてみた記事です。
パソコン初心者コースを習っても、パソコン使えるようにならないのはどうして?
「パソコンの使い方を知りたい!」「初心者なので最初から学びたい」
そんな方に、パソコン教室の「初心者コース」では、だいたい次のようなレッスンをします。
- キーボード・マウスの使い方
- アプリの起動の仕方
- ウィンドウの操作の仕方
- ファイルの操作、コピー・移動・名前の変更
でも、教室でレッスンをしている実感として、こんなことも思います。
初心者コースのレッスンをしても、多くの方はパソコンを使えるようにならない!
パソコン教室がこんなこと言ったらガッカリされるかもしれませんが、教室運営者の中で本当はこう思っている方は多いんじゃないかと思います。実際そうですから。
ええーっ、それじゃ、初心者はパソコン教室に通っても無駄なんですね!?
いいえ、そうじゃないんです。私は最近こう思います。
パソコン教室は、初心者の方に、ある大切なことをちゃんとお伝えしてない
それが原因なんじゃないかと思うんです。
この記事ではそのお話をします。
パソコンはアプリがなければただの箱です。
これは昔から言われているのに、よく誤解されることなんですが、
パソコンは、アプリがなければただの箱なんです。
スマホは、アプリがなくても電話はできます。だから、パソコンはスマホより機能が少ないってことになります。
だから、
ただの箱の使い方は、電源を入れることぐらいしか教えることがないんです。
本当に大切なことは、パソコンに入ってるアプリの使い方なんです。
アプリを入れると、やりたいことをものすごく手助けしてくれます
ワード、エクセルや、インターネットを見るための「ブラウザ」、画像編集アプリなど、パソコンには本当にたくさんのアプリがあります。
無料配布のものもあれば、有料のものもあります。パソコンを買ったら最初から入っているアプリもあります。
パソコンはアプリがなければただの箱ですが、アプリもまた、パソコンがなければ使うことができません。
「パソコンにアプリを入れて使う」、そうすると、アプリはあなたのやりたいことを、ものすごく手助けしてくれます。
ワードを使えば、文章がとてもきれいに印刷できますし、間違っても簡単に修正することができます。
エクセルは計算の名手です。情報をただ入力するだけで、一瞬で計算して、正しい結果を望むような形で出してくれます。
写真が好きな方は、写真を保存するだけでなく、暗い写真を明るくしたり、好きなサイズにトリミングしたり、自由に編集もできます。
これらは全部、アプリの機能です。パソコンはただの箱ですが、そこに入れたアプリは、さまざまな機能をもっています。
アプリを使いこなすことが、パソコンを使いこなすことだといっても過言ではないでしょう。
あなたが何をやりたいかによって、習うべきアプリは違います
アプリは、目的に応じて作られています。何でもできるアプリはありません。
文書作成がしたい方は、ワードを習うべきです。計算やデータの処理をしたい方は、エクセルを習うべきです。一般的な事務作業ではそれが両方あるので、ワード・エクセルを習う方がとても多いです。
ネットの情報を調べたい方は、まずはインターネットブラウザの操作を学ぶべきです。また、データを取ってきたりメールで送る作業もだいたいあるので、ファイル操作アプリ「エクスプローラー」の操作や、メールアプリの使い方も学ぶべきでしょう。
あるいは、ゲームをやりたい方もいるかもしれません。それなら、ゲームアプリを起動して遊び方を習えば、それも立派なレッスンです。
マウスも、キーボードも、アプリを使うための手段にすぎません。
ゲームアプリを使うためには、マウスもキーボードもほとんどいらないことだってあります。
ですから、パソコン教室のレッスンのほとんどは、アプリの使い方のレッスンなのです。
このことは、とても重要な、つぎの結論につながります。
「やりたいこと」がないと、パソコンは使いこなせない
ここまでのお話から、このような結論になります。
「何をやりたいか」はっきりしない方は、どうやってもパソコンを使えるようにならない
いやそもそも、このように言うべきかもしれません。
パソコンでやりたいことが特にない方は、パソコンを習う必要なんてありません。
パソコンは、人間が望む作業、やりたいことを強力に補助するための道具です。
ですから、「パソコンを使ってこれをやりたい」ということがない方には、そもそもパソコンは必要ないんです。
これが、
- 周りがパソコン使えるのに、自分は使えないから恥ずかしい
- この時代、パソコンぐらい使えるようになっておきたい
- せっかくパソコンを持っているから少しぐらい使いたい
こういう理由でパソコン教室に来られる方に、レッスン前にまず考えていただきたいことなんです。
「そんな高度なことは自分にはできない」と決めつけていませんか
実は、「パソコンの使い方を習いたい」という方は、必ず「やりたいこと」の1つや2つは持っていらっしゃいます。
しかし、多くの方は、実はこんな風に思っていらっしゃるのではないでしょうか。
- 「本当はワード・エクセルやメールを使ってバリバリ仕事がしたいけど、そんな高度なことは最初はできないから、初心者のコースから学びたい」
- 「本当は自分のお店のホームページを作りたいけど、そんな高度なことは最初は無理だから、まず基礎から学びたい」
パソコンを習う目的は、あなたがやりたい目的を達成するためです。それ以外にはありません。
なぜなら、目的がなければパソコンはただの箱だからです。
そして、登ってもいない山を「高すぎる」と決めつけるのは、山を登らないのと同じなんです。
まずはマウスやキーボードの使い方から、というのは本当ですが、しかし、目的があるからマウスやキーボードの操作も覚えられるのです。
ふもとから、「やりたいこと」の頂上に向かって一歩ずつ歩いてきます。
毎日少しずつ、頂上が近くに見えるから、「できるようになった」という自信もつきます。
目的がないのにマウスやキーボードを習っても、この気持ちは絶対に得られないのです。
「自分がパソコンでやりたいこと」に、ぜひこだわってください!
そんなわけで、当教室がパソコン初心者の方にお伝えしたい「大切なこと」、それは
どんなに無理に見えても、「自分がパソコンでやりたいこと」に、ぜひこだわってください!
ということなんです。
道のりは長いとしても、それがはっきり意識できている方は、かならずパソコン上達されます。
一緒にさがしましょう
そうは言っても、ぱっと「やりたいこと」が具体的に思い浮かばない方もいらっしゃると思います。
本当に何もやりたいことがない方は、もしかしたらパソコン本当に習う必要がない方かもしれません。
でも多くの場合、ほかの方がパソコンを使っているのを見て、「ああいうことができたらいいなあ」「自分もパソコン習おうかなあ」というようなきっかけは、お持ちだと思います。
そんなときは、ぜひ教室でご一緒に、「何がやりたいか」さがすことからはじめましょう。
細かいことは抜きにして、どんどん操作していただきましょう。また、インストラクターがやってお見せしましょう。「ああ、これがやってみたい」と本心から感じられるまで、そんなレッスンでよいと思います。
「やりたいこと探し」って、とても大切です。自分が本当に「やりたい」と思うことが見つかれば、不思議なもので、そこからどんどん上達します。
そこから先は「言われたことをやっている」のではなく、「やりたいことをやっている」のだからです。
最後にもう一度、これを繰り返します
最初のお話を、別の言い方でもう一度最後に繰り返します。
やりたいことがなければ、パソコンはただのガラクタです。
かつてパソコンが出始めのころ、とにかくパソコンやろう、といって多くの方が購入された時代があります。
しかし、その中で「やりたいこと」が見つからなかった方のパソコンは、電源を入れないまま押し入れに入ってしまったことも多いのです。
手段と目的が逆転すると、本当にこれは良いことがありません。習っても覚えられないし、すぐにさびつきます。何より、「できるようになった!」という喜びがないので、逆にあなたの人生をさびしくしてしまうかもしれません。
ぜひ、「パソコンで何をしたいか」、ご一緒に考えてみてください。
その答えは、あなた自身の中にしかないのですが、私たちはそれを見つけるお手伝いをすることはできます。
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