4月17日、NHKニュースで、「Googleグループ」からの情報漏洩について報道されました。
「無料ウェブサービスに落とし穴 設定ミスで個人情報閲覧も」2025年4月17日 NHK

Googleグループのプライバシー設定が、誤って「公開」に設定されていたために、機密情報や個人情報を含むメッセージやファイルが、外部から自由に見られるようになっていた、というものです。
この記事の最後に、次のようなくだりがありますが、一部誤りがあると思います。
Q.自分が使っているメーリングリストが公開状態になっているか確認するにはどうすれば
A.自分自身で、設定を変えることはできないためグループの管理者に設定を確認してもらう必要があるということです。そのうえで、専門家は、「無料のサービスは、ユーザー自身がその内容をよく調べてから使うべきだ」と話しています。
正しくは、次のように書くべきだと思います。
Q.自分が使っているメーリングリストが公開状態になっているか確認するにはどうすれば
A.自分自身の「Googleグループ」の画面から、自分が使っているメーリングリストが公開状態になっているかどうか、確認することができます。
ただし、管理者以外は設定を変えることはできないため、公開状態になっていることに気づいたら、グループの管理者に設定を変更してもらう必要があります。
この記事では、「自分が使っているメーリングリストが公開状態になっているかどうか、参加者自身が、自分で確認する方法」をご紹介します。
Googleグループのプライバシー設定を自分で確認する方法
「Googleグループ」から、自分が参加しているグループを選択すると、次のような画面になります。
ここで、赤枠でかこった「情報」をクリックします。

すると次のような表示になります。赤枠で囲った部分に、このグループのプライバシー設定の一覧が表示されていて、管理者でない参加者も、自分で確認することができます。

「プライバシー」の項目の、青いマークに注目
この表示を、青いマークに注目すると、次のような意味になっています。

この表示は、管理者側の設定内容と対応しています。

また、各項目は、次のような意味を表しています。

個人情報が漏れてしまうのはどんな状態か
ここの設定を確認して、自分のグループが個人情報が漏れる状態かどうか確認することができます。
例えば次の状態は、やり取りした会話やファイルが全部外から見られてしまいます。

また、次の状態もやはり、個人情報が漏れてしまう可能性がある状態です。

もし、自分の参加するグループがこのような状態になっていたら、管理者に連絡して、設定を変えてくれるよう依頼した方がよいでしょぅ。
Googleグループが一般公開されていると、どのぐらいやばいのか
Googleグループのプライバシー設定が「ウェブ上のすべてのユーザー」に設定されていると、実際どのくらいやばいのか? というお話をしておきたいと思います。
軽い気持ちで「ウェブ上のすべてのユーザー」にしてしまうケースが多い
NHKの報道では、「グループ作成当時の初期設定が一般公開だった」とか「誤って一般公開にしてしまった」といった原因が書かれています。
実際のところ、一般公開してしまうことのリスクが正しく認識されていないように思います。
例えば、次のようなシナリオで、リスクを認識せず一般公開にしてしまうケースは十分に想定されます。
Aさん(グループメンバーではない)
「Bさんとこの病院って、新しいシステム入れるんでしょ。なに入れるんですか?」
Bさん(グループ管理者)
「ああそれね、ええっと、きのうGoogleグループで送ってきてたな…」
(この資料ひとつだったら、Aさんは見ても構わないな)
「はい、ここのメッセージに詳細かいてる」
…
Aさん
「あれ、このリンク見られないよ」
Bさん
「あれ、おかしいな」
(そうか、グループメンバーじゃないからだ)
(まあいいや、そしたら設定を変えれば見れるな、どうせ誰も見に来ないでしょ)
<グループのプライバシー設定を「ウェブ上のすべてのユーザー」に変更>
「はい、これで見られる?」
Aさん
「ああ、見れた見れた、ありがとう。どれどれ…」
このようにして、グループ外の人に資料を見せるために、いちいちグループに招待するのはめんどくさいので、個人情報が書かれたスレッドを一般公開にしてしまう例は、実際にあります。
「どうせ誰も見に来ない」は甘い
ところが、「どうせ誰も見に来ない」なんてことはないのです。甘いのです。

さらに、検索語を少し足すだけで、機微なプライバシーが掲載されている可能性があるグループを選別することもできてしまいます。

いまスクショでご紹介した検索方法は、何ら不正アクセスではありません。ユーザーが一般公開しているものが、一般のGoogle検索で出てきてしまう、というだけのことなのです。
「めんどくさい」はやめて、きちんと管理することをおすすめします
このように、「ウェブ上のすべてのユーザー」に公開する設定は、設定するときはボタンひとつですからあっけないのですが、もたらす結果は重大なものになりえます。
もう使っていない古いグループも含めて、ぜひ、お使いのGoogleグループや、その他チャットアプリのプライバシー設定の見直しをおすすめいたします。
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