Excelで、商品台帳や備品台帳を作成している方も多いと思います。
商品名や価格、JANコードなどのデータとともに、写真を入れておくと、一目でどの商品か分かったり、取り違えを防いだりするのに役立ちます。
しかし、これまで、写真をExcelのセルに埋め込むのは、コツが必要でした。
画像のサイズと、セルのサイズを合わせたうえで、「プロパティ」を設定していました。こうしないと、並べ替えやフィルタをかけた際に、画像がずれてしまいます。
また、うっかり画像をマウスで移動してしまうと、商品と画像の対応が変わってしまい、正しく動作しなくなって大変でした。
それが、最近の新機能により、画像を簡単にセルに埋め込めるようになりました。記事にまとめておきたいと思います。
※この機能は、現在Excel 365 のみで使用できます。(バージョン2312で動作確認しています。いくつで追加されたのかちょっと確認できてません)
画期的な新機能「画像をセルに配置」
Excelの「挿入」→「画像」ボタンの中に、「セルに配置」という新しい選択肢ができました。
この方法で、セルに画像を挿入すると、このようになります。
「セルの上に配置」は、従来と同じ挿入方法です。画像をクリックすると、周囲に枠線と拡大縮小用のマークが表示されます。
対して、「セル内に配置」では、画像をクリックしても、そのセルがアクティブになるだけです。移動も、拡大縮小もできません。
右上に表示されているアイコンは、「セルの上に配置」のモードに変換するためのショートカットになっています。
画像が、オブジェクトでなく、「セルの値」そのものになった
つまり、画像が、セルの上に置かれたオブジェクトではなく、セルの値そのものになった、ということになります。
このことによって、さまざまなメリットが生まれます。
ただ画像を配置するだけで、並べ替え・フィルターができるようになった
画像サイズや、プロパティを気にすることなく、単純にデータとして取り扱うことができ、並べ替え・フィルターの対象にしやすくなりました。
数式によって画像を表示できるようになった
画像が、セルの値そのものになったことによって、さまざまな関数の戻り値が画像になることができます。XLOOKUP関数で、商品画像そのものを表示したり、FILTER関数で、画像を含む表全体を絞り込んだりできるようになりました。もちろん、ただのセル参照や、リンク貼り付けも有効です。
従来の方式で作られた表も、簡単に「画像をセル内に配置」に変更できる
「画像をセル内に配置」ができる前に、従来の方式で画像を埋め込んだ表も、簡単に「画像をセル内に配置」に変更できます。
配置済みの画像を選択すると、このように「セル内に配置」に変更するボタンが表示され、クリックするだけで「セル内に配置」に変更することができます。
ただし、画像を複数選択すると、この操作はできなくなるようです。
リボンにもボタンはあるのですが、複数選択すると、グレーアウトしてしまいます。
このあたり、できれば、複数まとめて変更、もしくは、シート内全部変更などができると、既存のブックの活用はやりやすくなるように思います。マイクロソフトさん、お願いします。
「画像をセルに配置」と、IMAGE関数の違い
少し前に追加された「IMAGE関数」も、似たような特性をもっていました。
IMAGE関数を使って画像を配置した場合も、「画像をセルに配置」と同じように、画像そのものをセルの値として扱うことができ、並べ替え・絞込み、関数による抽出などが可能でした。
しかし、IMAGE関数は思いのほか制約が多く、使いづらいことも多かったのです。それに比べ、今回の「画像をセル内に配置」は、多くの面で画期的なものでした。
IMAGE関数では、オンライン上の画像しか参照できなかった
IMAGE関数の引数としては、「https://」で始まるURLしか指定できませんでした。このため、コンピュータのフォルダ内にあるローカルの画像を配置することは出来ませんでした。
それが、「画像をセル内に配置」では、いとも簡単に配置できるようになったのです。
IMAGE関数は、外部ソースを引いてくるため、セキュリティ設定の影響を受ける
IMAGE関数は、外部ソースの画像を引っ張ってくる形のため、Excelのセキュリティ設定の影響を受けました。「#BLOCKED」のエラーになることがありました。
それが、「画像をセル内に配置」では、シート内に直接挿入されるため、心配いらなくなりました。
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