携帯電話の番号は、携帯会社を乗り換えても変わらないのが当たり前になりました。「MNP」という言葉はもう、多くの方がご存じです。
それが、固定電話に拡大されました。
双方向番号ポータビリティ
Bidirectional Local Number Portability
というそうです。
以前の、双方向になる前の「固定電話番号ポータビリティ」を
略して LNP と呼んでいたそうなので
双方向番号ポータビリティのことは、本記事では区別して「双方向LNP」と表記します。
※英語表記では、総務省が「双方向」に「Bidirectional」の語を当てている記事があります。
NTT東日本ほかの事業者からの共同プレスリリースがこちらです。

具体的に、何ができるようになったのか、どんなときに利用できるのか、などについて解説していきます。
固定電話番号を変えずに、電話会社・ネット回線を乗り換えられるように
2024年1月14日まで―NTT電話からの移行以外は、ほとんどできなかった
従来、固定電話の電話番号引継ぎは、ひかり電話ではない昔からのNTT電話からしか引き継げませんでした。
※「フレッツコラボ」(フレッツ光の回線をNTT以外の会社が販売する形式)ができて、NTTのひかり電話からコラボ回線へは一度だけ引き継げるようになりました。さらに2019年7月、双方向に何回でも引き継げるようになりました。

双方向番号ポータビリティにより、NTT以外のどの会社からも電話番号が双方向引継ぎ可能に
「双方向番号ポータビリティ」によって、
下の図、黄色い矢印方向どれでも全部、電話番号が引き継げるようになりました。

電話番号がネックで乗り換えできなかった方が、乗り換えできるようになる
もっと安い光回線、速い光回線に乗り換えたくても、ひかり電話の電話番号が変わってしまうために、乗り換えを断念した方も、多かったと思います。
そうしているうちに、今はもう、個人のご自宅には固定電話はないことも多くなりました。
しかし、お店や会社の場合は、必ず固定電話はあります。
これからは、お店や会社のネット回線も、電話番号を変えることなく、違う回線にのりかえることができるようになります。
引っ越し時に電話番号を引き継げるエリアも拡大
固定電話の番号は、携帯電話と違い、全国どこでも同じ番号を持ったまま引っ越せるわけではありません。市外局番がありますし、以前は、電話番号でだいたいの住所が分かる、とまで言われたものです。
その、「同じ電話番号を持ったまま引っ越せる範囲」が、今回の双方向LNP実施とともに拡大したもようです。

「3.住所移転時の番号ポータビリティの範囲について」より
「番号区画」→同一市外局番より狭い場合あり
この「番号区画」というのは、普段あまり意識しないもので、「市外局番をダイヤルしないでもつながる範囲」ということだそうです。
例えば、当店の所在地、市外局番048エリアは、このように書かれています。

また、東京03 川崎044 横浜045のように、市外局番と番号区画が一致しているところでは、市外局番が変わらない範囲ならどこでも、電話番号を変えずに引っ越せるようになったようです。

電話・インターネット回線各社の双方向LNP対応状況
原則としてすべての事業者が双方向LNPに対応することに
電気通信番号計画(令和元年総務省告示第6号)に基づき、令和7年1月末日以降、固定電話番号を使用したサービスを提供する全ての事業者は、技術的に困難などの理由で指定された例外を除いて、原則、固定電話番号の番号ポータビリティを可能とする必要があります。

2024年11月には、18社によるプレスリリースが発表されていますが、現在は、ここに掲載されていない電話会社・インターネット回線会社も、双方向LNPに対応しているはずです。
具体的な対応状況は、乗り換えを申し込む前に確認を
とはいえ、やはり実際に乗り換えを申し込む際には、具体的に「今使っているサービス」と「乗り換え先のサービス」双方の双方向LNP対応状況と、申し込み方法を確認しておく必要があると思います。
インターネット回線各社の、現時点(2025年3月)での双方向LNP対応状況を確認してみたいと思います。
番号ポータビリティ手数料は2,200円(※確認した限り)
各社の対応状況を確認したところ、双方向番号ポータビリティをおこなって新規申し込みする場合の手数料は、確認した限り、どこも2,200円のようです。
フレッツ光コラボ回線
※現時点(2025年3月)での情報です。その後更新されている場合があります。
※公式サイトに書かれていない場合でも、「原則としてすべての電話会社が対応」となっていますので、詳しくは各社にお問い合わせください。
ビッグローブ光
「ビッグローブ光電話」番号ポータビリティ
@nifty光
まだ「NTT発番の電話番号のみ移行可能」という古い記載になっています。
So-net光
双方向番号ポータビリティの申込受付開始について
新規申し込み/解約のページにも、番号ポータビリティ関連の項目が追加されています。
おてがる光
公式サイトにある申し込みフォームや、重要事項説明書を確認した限りでは、加入電話からの転用、フレッツ光との間の事業者変更のみが記載されていました。
GMOとくとくBB光
FAQの中に「他社IP電話は引き継げる」「直収電話は引き継げない」と、やや矛盾した内容が書かれています。おそらく、双方向番号ポータビリティ以前の、フレッツコラボ間の引継ぎのことだと思われます。
eo光
2025年1月6日から、双方向LNPの受付開始する旨が明記されています。
@TCOM光
公式サイト、ヒカリ電話サービス紹介などには、双方向LNPは明記されていませんでした。
ドコモ光
2025年1月14日から、双方向LNPの受付開始する旨が明記されています。
ソフトバンク光
Softbank光のFAQページでは、あまり明確に書かれていませんが、2024年11月の共同プレスリリースが公式サイトに掲載されています。
楽天ひかり
楽天ひかり公式サイトには明記がありませんが、楽天コミュニケーションズ株式会社が、2024年11月の共同プレスリリースを掲載しています。
独自回線
auひかり
KDDI公式サイトに、2025年1月14日から双方向LNPの申し込みを受け付ける旨が明記されています。
NURO光
2025年1月28日までを双方向LNP実施の移行期間とする「お知らせ」が出ています。そのうえで、番号ポータビリティご利用ガイドと、NURO光でんわFAQの内容が違ったり、やや混乱しています。また、番号ポータビリティご利用ガイドでは、ソフトバンクテレコムの電話サービスからは直接移行できないと記載されています。
J-COM NET
J:COM PHONEで1月14日から双方向番号ポータビリティが利用できる旨明記されています。
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