Excelのスキルアップに役立つ記事、今回は「相対参照」について詳しく見てみます。
(他のパソコンスクールでExcelを習った方の中に、ここで理解が止まっている方が非常に多いのです。そんな気がする方は、ぜひ読んでみて下さい。)
このあと「複合参照」の記事でも使うので、「九九の表」をサンプルとします。複合参照の練習問題として、古典的ですが面白い問題です。
Excelの基本は「相対参照」。その本当の意味がけっこうすごい、という話。
Excelで、何もしないでただセル参照をおこなうと、「相対参照」になります。
これが「相対参照」です。いったいどこが「相対」なの?
この例では、B2セルにB1セルの内容をそのまま参照して表示するようになっています。
ところで、ちょっと脱線して考えてみたいのです。「相対参照」の「相対(的)」という言葉なんですが、
「相対的」<–>「絶対的」
ふつう「相対的」といったら、「うちから北にむかって、大きな交差点を左、さらにもう一回右に曲がると、おしゃれなドッグカフェがあります」という言い方のことです。
逆に「絶対的」といったら、「志木市本町○-▽-△ ○○マンション103に、おしゃれなドッグカフェがあります」という言い方です。(※執筆当時、実在しましたが、現在はありません)
じゃあ、この「=B1」という参照の、どこがどう「相対的」なのでしょう? しっかり「B1」という番地が書いてあって、ちっとも「相対的」じゃないんですが??
実は「何行上↑の、何列左←」、というのが「相対参照」
これは実は、「自分のセルの1行上、同じ列を参照する」という相対参照が、B2セルにおいてあるから「=B1」と表示されているだけなんです。
ためしにExcelのモードを切り替えてみると、よく分かります。ファイル→オプション→数式 の中にある、ここを切り替えてみます。
すると、先ほどのワークシートの数式はこのように変わります。これが、相対参照の本当の姿です。
RはROW(行)、CはCOLUMN(列)なので、まさに「一行上の同じ列」という参照だということが分かります。
よく、「数式を別のセルにコピーすると、コピーした場所に合わせてセル参照が変化する」と言いますね。
あれはつまり、Excelとしては「別にR[-1]Cっていう相対参照が変わったわけじゃないんだけど、どこを参照してるか人間には分からないと思うので、どのセルを参照してるかっていう表示を変えといたよー」ということにすぎないのです。
数式をC3セルにコピーしても、「R[-1]C」は、完全にそのままコピーされているのが分かりますね。
だから、相対参照で書かれている数式を丸ごとコピーすると、こんな感じで、別の場所でも同じように計算してくれるのです。
R1C1表記の方が、「相対参照」の真の姿が分かるので、すべてこちらで学習するやり方もあるようですが、当パソコン教室では、実際の業務と違うやり方をすると弊害もあるため、そこまではやっていません。
でも、頭の中のイメージとして、「何行上の、何列左を参照」というのが、本来の「相対参照」なのだ、という考え方を、しっかり持っていていただきたいのです。
すると、数式をコピーするときに、迷いがなくなります。いちいち考えなくても、サッと表全体を別のところにコピーして、データだけ入れ替える、などの操作ができるようになります。
このあたりでひっかかって進めなくなっている方は、ぜひじっくり読み返して、考えてみて下さい。きっと、霧が晴れるようにExcelが分かるようになると思います。
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