最近、当教室でMOS資格試験を受験される方の中に、
「MOSを全科目制覇したい!」
という方が、しばしばいらっしゃいます。
多くの方は、必要な一科目か二科目の取得で済まされるのですが、「やるなら徹底的に!」という、その心意気は本当にすごいと思います。
そんな皆さんに、オススメの資格があります。
「マイクロソフトオフィス・マスター」(MOSマスター)資格です。
ちがいます。この方は「ジェダイマスター」です……
今日のお題は、「MOSマスター」資格について、
- どんな資格なのか?
- どのぐらい価値ある資格なのか?
- 取得するには、どうしたらいいのか?
といったことを、ご紹介していきたいと思います。
「MOSマスター」資格=「Officeをフルコンプ」した証明
「MOSマスター」は、ワード・エクセルといった一つ一つのソフトではなく、Officeに含まれるさまざまなソフトを全部使いこなせることを証明する資格です。
まぁ、つまり「Officeをフルコンプした人です」ってことですね。
※「コンプ」:ゲームなどで使われる用語。「コンプリート」の略。ゲームの中で、ひとつの目標をクリアすることを「コンプする」といいます。
また、「すべてのステージをクリアした」「すべての敵を倒した」ことなどを指して「フルコンプ」といいます。
Officeを「フルコンプ」する、とは、どういうことか。
Microsoft Officeには、次のようなソフトがあります。
- Word (文書作成)
- Excel (表計算・簡易データベース)
- Outlook (メール・スケジュール管理)
- PowerPoint (プレゼンテーション)
- Access (データベース)
一般的な事務職では、WordとExcelができれば十分なのですが、
たまに「PowerPointできる方」という条件がついた職種もありますね。
Accessは、割と大きなデータベースを扱うソフトです。また、複数のデータベースをつなげて、効率のよいデータ管理を行うことができます。
これらのソフトを、「エクセルは得意」とか、「ワードならできる」ではなく、全部をしっかり使えるスキルを身につける、というのが、「MOSマスター」資格の趣旨なのです。
「MOSマスター」は、指定のMOS科目を4科目合格すると自動認定
「MOSマスター」は、同一バージョンのMOSのうち、指定の4科目に合格すると、自動的に認定されます。
(つまり、正確にいうと「Office全部」じゃないんです。)
詳しくはMOS公式サイトの説明をご覧ください。
「MOSマスター」の資格は、どのぐらい価値がある?
では、この「MOSマスター」の資格、どのくらい価値があるのか?というお話をしていきます。
もちろん、「Officeの全ソフトが使えることを証明」する資格ですから、それだけで十分価値があります。自分に自信をつけたい方、スキルアップの目標にしたい方にとっては、ぜひとも意識して目指していただきたい資格です。
でも、就職・転職などの際に「MOSマスター取得の方」といった条件は、あまり見かけませんね。
じゃあ、取ったとしても就職・転職には意味がないのでしょうか?
取得者がたいへん少ない「プレミアムな資格」
まず、「MOSマスター」を実際にどのくらいの方が取得しているか、見てみましょう。
「MOS公式サイト」掲載のデータによりますと、
80,138名 (2017年4月30日現在) です。
いっぽう、MOSの総受験者数(合格者数+不合格者数、過去の全バージョン合計)は、
3,903,802名 (2017年3月31日現在) です。
情報の日付がそれぞれ異なるため、正確な比較ができないのですが、いまの数字を使って比率を計算しますと、
80138 / 3903802 ×100 = 2.05%
MOS受験者総数のうち、たったの2%程度しか取得していない資格だ、ということになります。
取得者が少ないだけに、知名度もちょっと低め…かもしれません……
これだけ取得者が少ない資格なので、企業の採用担当者の中にも、知らない人が多いかもしれません。
履歴書に「MOS マスター 取得」と書いても、分かってもらえないのでは、意味がない、ということにもなりかねませんね。
でも、例えば履歴書に次のように書いたらどうでしょう?
- 20xx年x月x日 MOS Word 2016 Expert 取得
- 20xx年x月x日 MOS Excel 2016 Expert 取得
- 20xx年x月x日 MOS PowerPoint 2016 取得
- 20xx年x月x日 MOS Access 2016 取得
- 同日 MOS 2016 マスター認定
単に「MOS マスター取得」とまったく同じ意味なのですが、これだと
「えっ! こんなに持っているの!」
と、多くの採用担当者が分かる状態になります。
ですから、就職・転職の際には、「MOSマスター」であることよりも、「MOSマスター」を構成する個々の資格がたいへん大きな意味をもつ、と考えられます。
「MOSマスター」があれば、実務経験はなくても大丈夫なのか??
さて、実際に「MOSマスター」資格をとり、求人に応募する場合、もうひとつの問題が
「実務経験」ですね。
特に派遣社員や中途採用などの場合、採用企業は「即戦力」を求めます。ですので、実務経験が豊富な応募者を採用したい、ということを、どの企業も考えていると思います。
まずは採用されないと、実務は経験できないですよね……
しかし、実際に皆さんご経験がおありだと思うのですが、
実務経験がない
↓
採用されない
↓
いつまでたっても実務経験が「ある」にならない
という、どうしようもない堂々巡りがありますよね。
未経験で、高度なスキルを必要とする職場に入れるのは、おそらく新卒ぐらいではないでしょうか。
どの会社も、自社で人材を育成する余裕がない、というのが実情で、
ましてせっかく育てても他社に引き抜かれるなら、人材育成には投資できない、という判断に傾きがちです。
未経験からきちんと教えてくれる会社は、ないかなぁ…? というのは皆さんの思いだと思うのですが、残念ながら見たことがないですね。
「実務経験なし」はMOSの資格でおぎなえる
そんなとき、MOSの資格はとても強い味方となります。
もし、実務経験バリバリの応募者がいなかった場合……人材不足のご時世です。企業のほうも、「MOSを持っているなら、採用しても大丈夫じゃないか」という判断になる場合も多いのです。
企業からみた「MOSマスター」取得者の魅力とは?
ここでもし、「実務経験なし」のあなたが、単科目のMOSでなく「MOSマスター」を持っている、という場合、企業から見てどのように映るか? と考えてみましょう。
「ワード・エクセルができる人が欲しい」、という企業から見れば、「エキスパート」資格に二科目とも合格しているわけですから、実務に入れば問題なく適応できる、と判断されることが多いでしょう。
その上、パワーポイント・アクセスまで試験には合格しているなら、「ワードエクセルだけでなく、相当しっかりパソコンが使える」あるいは「がんばって相当勉強したんだな」という印象を与えられます。
あるいは、将来の業務拡張や拠点増設などの際に、もしかしたら役立つ人材なのではないか? と思われるかもしれません。
「アクセスができる人が欲しい」という企業の場合は、少し事情が異なります。
Accessで扱うのは、大きなデータベースです。しかも、企業ごと、現場ごとに、業務フローにそってカスタマイズされて、使われていることが多いのです。
実際にデータを扱った経験、また多くの社員が使うシステムをカスタマイズした経験、などは、試験ではどうしても測れない部分だと思います。
ですので、Accessに関しては、実務経験のあるなしに左右される面が、ワード・エクセルよりもかなり大きいようです。
ただ、MOS Accessを取得していると、「ど素人」ではないですよね。現場に入るための「最低限」の操作スキルはきちんと持っている、という証明になります。
そのうえで、現場に入ってから、経験を積むことで、一流のAccessオペレーターになれる可能性はあるわけです。
また、「MOSマスター」を持っているのなら、ただ単にアクセスのMOSの試験勉強をした、というだけにとどまらず、総合的にパソコンをよく理解している、何でも柔軟に、器用に使いこなせる、という印象を与えることができます。
「MOSマスター」取得を応援します!
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