最近、当教室でMOS資格試験を受験される方の中に、
「MOSを全科目制覇したい!」
という方が、しばしばいらっしゃいます。
多くの方は、必要な一科目か二科目の取得で済まされるのですが、「やるなら徹底的に!」という、その心意気は本当にすごいと思います。
そんな皆さんに、オススメの資格があります。
「マイクロソフトオフィス・マスター」(MOSマスター)資格です。

ちがいます。この方は「ジェダイマスター」です……
MOSの「マスター」称号は、MOS2019以降のバージョンで名称が変わりました。
現在は「MOSエキスパート」称号と呼ばれています。
本記事でも「エキスパート」と表記しますが、科目ごとの「エキスパート」と紛らわしいので、「MOSエキスパート称号(旧MOSマスター相当)」の表記を併用します。
今日のお題は、MOSエキスパート称号(旧MOSマスター相当)ついて
- どんな資格なのか?
- どのぐらい価値ある資格なのか?
- 取得するには、どうしたらいいのか?
といったことを、ご紹介していきたいと思います。
「MOSマスター」資格=「Officeをフルコンプ」した証明
「MOSマスター」は、ワード・エクセルといった一つ一つのソフトではなく、Officeに含まれるさまざまなソフトをほぼ全部使いこなせることを証明する資格です。
まぁ、つまり「Officeをフルコンプした人です」ってことですね。
※「コンプ」:ゲームなどで使われる用語。「コンプリート」の略。ゲームの中で、ひとつの目標をクリアすることを「コンプする」といいます。
また、「すべてのステージをクリアした」「すべての敵を倒した」ことなどを指して「フルコンプ」といいます。
Officeを「フルコンプ」する、とは、どういうことか。
Microsoft Officeには、次のようなソフトがあります。
- Word (文書作成)
- Excel (表計算・簡易データベース)
- Outlook (メール・スケジュール管理)
- PowerPoint (プレゼンテーション)
- Access (データベース)
一般的な事務職では、WordとExcelができれば十分なのですが、
たまに「PowerPointできる方」という条件がついた職種もありますね。
Accessは、割と大きなデータベースを扱うソフトです。また、複数のデータベースをつなげて、効率のよいデータ管理を行うことができます。
これらのソフトを、「エクセルは得意」とか、「ワードならできる」ではなく、全部をしっかり使えるスキルを身につける、というのが、「MOSマスター」資格の趣旨なのです。
最新バージョンのMOS 365では、Accessの試験が廃止されました。
このため、MOS 365のエキスパート称号(旧MOSマスター相当)の取得条件にAccessは含まれません。
「MOSエキスパート称号(旧MOSマスター相当)」は、指定のMOS科目を5科目合格すると自動認定
「MOSマスター」は、同一バージョンのMOSのうち、指定の5科目に合格すると、自動的に認定されます。
(つまり、「Office全部」じゃないんです。)
以下の説明は、MOS 365、MOS 2019に当てはまります。
ひとつ前のバージョン MOS 2016では、全く違う認定方式になっています。
まずMOS Associate称号を取得する
エキスパート称号を取得するには、まず前段の「Associate(アソシエイト)」称号を取得します。
「Associate」という言葉の意味合いは、MOSの称号の中では「一般」といった意味合いになるのですが、例えば「副議長」を「Associate Chairperson」と言ったりするようです。または「仲間」「同僚」を指す言葉としても使われます。
次の4科目の中から3科目を合格すると取得できます。
- Word Associate (一般レベル)
- Excel Associate (一般レベル)
- PowerPoint
- Outlook
MOS 365では、Outlookの試験は開始されていません。代わりに、MOS 2019 Outlookに合格することで、Associate称号を構成することができます。
(MOS 365とMOS 2019のミックス認定については詳しくはのちほど)
さらにExpert2科目を追加すると「エキスパート」称号に
Associate称号を取得できたら、ここにExpertレベル(上級資格)を2科目追加で合格します。
- Word Expert
- Excel Expert
- (Access Expert …MOS2019のみ)
Associate + Expert2科目で、MOSエキスパート称号(旧MOSマスター相当)が完成します。
MOS 365と、MOS 2019のミックス認定について
MOS 365 Associate称号と、MOS 365 Expert称号は、365と2019の両バージョンを特定の条件でミックスした状態でも取得することができます。
MOS公式サイトの説明の中では、「バージョン混在での認定条件」としてPDFファイルで説明されていますが、ここでかみくだいてご説明いたします。
MOS 365 Associate称号のミックス認定
- Word Associate (一般レベル)
- Excel Associate (一般レベル)
- PowerPoint
- Outlook
この中の3科目を取得する際に、どれか1科目でもMOS 365バージョンで取得すれば、認定される称号は「MOS 365 Associate」になります。
また、すでに「MOS 2019 Associate」認定済みの方は、追加でどれでも1科目、MOS 365バージョンで合格すれば、「MOS 365 Associate」に認定されます。
MOS 365 Expert称号(旧マスター称号相当)のミックス認定
MOS 365 Expert 称号の場合は、次のような条件になります。
- MOS 365 Associate称号を取得していること
(中身は365 2019 ミックスでも可) - Word Expert, Excel Expertの2科目を、最低どちらかはMOS 365で取得すること
※Access 2019 Expert不可
例えば、微妙にこれじゃだめなパターンは次のようなものです。
微妙にこれじゃだめなパターン
・Word 365 Expert、Excel 365 Expertを取得したが、MOS 2019 Associateしか持ってない
・MOS 365 Associateを取得し、Excel 365 Expertを取得したが、Word Expertは取ってなく、Access 2019 Expertを取得している
「MOSマスター」の資格は、どのぐらい価値がある?
では、この「MOSエキスパート称号(旧MOSマスター相当)」の資格、どのくらい価値があるのか?というお話をしていきます。
もちろん、「Officeの全体を高水準で使用できることを証明」する資格ですから、それだけで十分価値があります。自分に自信をつけたい方、スキルアップの目標にしたい方にとっては、ぜひとも意識して目指していただきたい資格です。
でも、就職・転職などの際に「MOSマスター取得の方」といった条件は、あまり見かけませんね。
じゃあ、取ったとしても就職・転職には意味がないのでしょうか?
取得者がたいへん少ない「プレミアムな資格」
まず、「MOSマスター」を実際にどのくらいの方が取得しているか、見てみましょう。
「MOS公式サイト」掲載のデータ(2024年12月31日現在)によりますと、
MOS 365/MOS 2019の「エキスパート」称号取得者数は
6,563名です。
また、MOS 2016以前の、名称が「マスター」だった時代の
マスター称号取得者数は97,860名ですので、合計すると
合わせると、「エキスパート」「マスター」称号をとった人の総数は
104,423名です。
いっぽう、MOSの総受験者数(合格者数+不合格者数、過去の全バージョン合計)は、
5,208,132名 (2024年12月31日現在) です。
この数字を使って比率を計算しますと、
104423 / 5208132 ×100 = 2.00%
MOS受験者総数のうち、たったの2%程度しか取得していない資格だ、ということになります。
取得者が少ないだけに、知名度もちょっと低め…かもしれません……
これだけ取得者が少ない資格なので、企業の採用担当者の中にも、知らない人が多いかもしれません。
履歴書に「MOS エキスパート(旧マスター相当) 取得」と書いても、分かってもらえないのでは、意味がない、ということにもなりかねませんね。
でも、例えば履歴書に次のように書いたらどうでしょう?
- 20xx年x月x日 MOS 365 Word Associate 取得
- 20xx年x月x日 MOS 365 Excel associate 取得
- 20xx年x月x日 MOS 365 PowerPoint 取得
- 20xx年x月x日 MOS 365 Excel Expert 取得
- 20xx年x月x日 MOS 365 Word Expert 取得
- 同日 MOS 365 Expert(旧マスター相当)認定
単に「MOS マスター取得」とまったく同じ意味なのですが、これだと
「えっ! こんなに持っているの!」
と、多くの採用担当者が分かる状態になります。
ですから、就職・転職の際には、「MOSマスター」であることよりも、「MOSマスター」を構成する個々の資格がたいへん大きな意味をもつのではないか、という印象があります。
「MOSマスター」があれば、実務経験はなくても大丈夫なのか??
さて、実際に「MOSマスター」資格をとり、求人に応募する場合、もうひとつの問題が
「実務経験」ですね。
特に派遣社員や中途採用などの場合、採用企業は「即戦力」を求めます。ですので、実務経験が豊富な応募者を採用したい、ということを、どの企業も考えていると思います。
まずは採用されないと、実務は経験できないですよね……
しかし、実際に皆さんご経験がおありだと思うのですが、
実務経験がない
↓
採用されない
↓
いつまでたっても実務経験が「ある」にならない
という、どうしようもない堂々巡りがありますよね。
未経験で、高度なスキルを必要とする職場に入れるのは、おそらく新卒ぐらいではないでしょうか。
どの会社も、自社で人材を育成する余裕がない、というのが実情で、
ましてせっかく育てても他社に引き抜かれるなら、人材育成には投資できない、という判断に傾きがちです。
未経験からきちんと教えてくれる会社は、ないかなぁ…? というのは皆さんの思いだと思うのですが、残念ながら見たことがないですね。
「実務経験なし」はMOSの資格でおぎなえる
そんなとき、MOSの資格はとても強い味方となります。
もし、実務経験バリバリの応募者がいなかった場合……人材不足のご時世です。企業のほうも、「MOSを持っているなら、採用しても大丈夫じゃないか」という判断になる場合も多いのです。
企業からみた「MOSマスター」取得者の魅力とは?
ここでもし、「実務経験なし」のあなたが、単科目のMOSでなく「MOSマスター」を持っている、という場合、企業から見てどのように映るか? と考えてみましょう。
「ワード・エクセルができる人が欲しい」、という企業から見れば、「エキスパート」資格に二科目とも合格しているわけですから、実務に入れば問題なく適応できる、と判断されることが多いでしょう。
その上、パワーポイント・アクセスまで試験には合格しているなら、「ワードエクセルだけでなく、相当しっかりパソコンが使える」あるいは「がんばって相当勉強したんだな」という印象を与えられます。
あるいは、将来の業務拡張や拠点増設などの際に、もしかしたら役立つ人材なのではないか? と思われるかもしれません。
「アクセスができる人が欲しい」という企業の場合は、少し事情が異なります。
Accessで扱うのは、大きなデータベースです。しかも、企業ごと、現場ごとに、業務フローにそってカスタマイズされて、使われていることが多いのです。
実際にデータを扱った経験、また多くの社員が使うシステムをカスタマイズした経験、などは、試験ではどうしても測れない部分だと思います。
ですので、Accessに関しては、実務経験のあるなしに左右される面が、ワード・エクセルよりもかなり大きいようです。
ただ、MOS Accessを取得していると、「ど素人」ではないですよね。現場に入るための「最低限」の操作スキルはきちんと持っている、という証明になります。
そのうえで、現場に入ってから、経験を積むことで、一流のAccessオペレーターになれる可能性はあるわけです。
また、「MOSマスター」を持っているのなら、ただ単にアクセスのMOSの試験勉強をした、というだけにとどまらず、総合的にパソコンをよく理解している、何でも柔軟に、器用に使いこなせる、という印象を与えることができます。
「MOSマスター」取得を応援します!
当教室では、そんな「MOSマスター」をめざす方を応援いたします。
以前は、各科目ごとに入会金をいただく方式が多く、これを5科目まとめた「MOS マスター合格パック」といった設定をしていたのですが、
最近は、「時間制レッスン」1,320円/時間 をご利用いただくことが多くなりました。
学習しはじめの、慣れない部分を集中して通学していただき、慣れてきたら、自宅学習に切り替える方が多くなっています。
自宅で自分で学習できるようになったら、今度は、どうしても一人で解決できない質問をまとめて、教室におこしいただいています。
あるいは、お子様が小さい方などは、オンラインレッスンでご自宅での学習も可能です。
詳しくは、記事下のリンクから、当店HPをご覧ください。
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