本記事は、2023年10月26日初公開した記事です。
すでに過去の出来事となっていますが、関連のネット記事が引き続き公開されている実態などもあり、引き続きご参考となればと考え、当面このまま公開いたします。
10/31朝の、テレ朝のニュースで「LINE使えない人続出か 11月から“同意”手続き必須で注意」と報じられ、あわてて大混乱におちいっている方が多いようです。

2023/10/26、TBS系ニュースでも、「11月以降LINEが使えなくなる?“同意画面スルー”に要注意、確認するには?」と報道されました。
当店にもご質問が相次いでいますが、流れる報道には大げさなものが多く、非常に驚いております。
当店で実際どうなのか調べた結果、ほとんどの方はだいじょうぶなので、おちついてください。
【11/3更新】「11月1日にLINE使えなくなる」デマはなぜ拡散した?という記事が、Yahoo!エキスパートで公開されました。

LINE側の説明が分かりにくかったのは事実で、対応も遅かったと思います。それだけでなく、確認不十分なまま「LINE使えなくなる!?」というニュースが地上波で放映されたことは大きいと考えています。
いまだに、その番組がネット記事として、デマが配信され続けている形になっています。
ほとんどの方は「出てきたら同意する」で大丈夫です
- 問答無用でLINEが使えなくなったり、アカウントが消えるようなことは、起こりません。
まずはご安心いただくのが適切です。 - 次のような「プライバシーポリシー統合のご案内」が出た場合は、下までスクロールして内容を確認し、「同意する」を必ずタップしてください

本文に戻るときは、画像拡大表示の右上「×」で戻れます。
- 「同意画面スルー」した方も、必ず同意画面は出て来ますので大丈夫です。
- いますぐ対処する方法は本記事にも掲載いたします
- 「LINEとYahoo!のアカウント連携」は、別の話です。しなくても大丈夫です。アカウント連携は任意です。
【10/31更新】LINEヤフー社が、お問い合わせフォームの内容を追記しています。
![お問い合わせ前にご確認ください
10月中にプライバシーポリシーの同意が完了していなくても、11月以降、LINEが利用できなくなることはございません。
11月以降も同意いただいていない場合、順次、サービス利用時にプライバシーポリシーの同意画面が掲出され続けるようになります。
画面が表示された際に同意ボタンを押していただくことで、引き続きLINEアプリをご利用いただけますので、ご安心ください。
なお、[account center]が表示されない場合は、プライバシーポリシーの同意画面がポップアップ表示されるまでお待ちください。
※事前に[account center]からプライバシーポリシーへの同意を行っていただく必要はございません
また、LINEをご利用いただくにあたり、LINEアカウントとYahoo! JAPAN IDの連携は必須ではございません。](https://curio-shiki.com/blog/wp-content/uploads/2023/10/image-33.png)
「account center」が表示されない方でも、11月になれば「プライバシーポリシー統合のご案内」は表示される、という意味に受け取れます。詳細確認中ですが、この内容に従えば、今現在、どうやっても「同意する」が押せない方も、11月になれば押せるようになる、と受け取れます。
アプリが最新版になっていない方は、アップデートを
LINEアプリが最新版になっていないと、10月中は同意画面が表示されなかったと思います。「プライバシーポリシー統合のご案内」がどうやっても表示できない方は、アプリのアップデートをおためしくださいアップデート方法を本記事の最後でご紹介します。
ただし、これについては、上でご紹介しました通り、LINE側が「ポップアップ表示されるまでお待ちください」とアナウンスしていますので、11月になっても正常に使えている方は大丈夫です。
スマホがすごく古い方は、本当にLINEが使えなくなる
スマホがAndroid6.0より古い方、iOS12より古い方は、サポートバージョンからはずれるため、実際にLINEが使えなくなります。機種変更をご検討ください。(詳細は本記事最後のこちら)
Androidは2015年10月、iPhoneは2018年9月より古い機種をお使いの方は、確認した方がよいと思います。多くの報道記事が出ておりますが、この点に一言も触れていない記事が大変多いですので、ご注意ください。
「規約に同意さえすれば、引き続きLINEは使える」が正しい
「11月以降、LINEが使えなくなるって、テレビで言ってたんですけど!?」
こういって、大混乱のなかで当店に駆け込んでくる方が相次いでいます。
もうですからこれは、はっきり申し上げています。
「だいじょうぶです、
落ち着いてください」
Yahoo!とLINEの統合で、個人情報に関する取り決めに、「改めて同意」が必要になった
Yahoo!とLINEが合併して、「LINEヤフー株式会社」という、ひとつの会社になることになりました。
ひとつの会社になったことで、私たちがLINEをはじめるときに同意していた、「プライバシーポリシー」が変わり、再度同意する必要が生じました。
プライバシーポリシーというものは、LINEアプリに入力している友だち・トーク・投稿・写真などの情報、また、アプリ使用にあたっての識別情報などを、会社がどう扱うか、という取り決めです。
取り決めがしっかりしていないと、「勝手に個人情報を扱った」ことになるので、LINEのサービスは提供してはいけないことになります。
「同意画面スルー」した方も、大丈夫。ちゃんと出て来ます
10月4日以降、LINEを開いた時、次のような画面が全員に出ているはずです。

このとき、よくわかんないので「あとで確認」を押してしまって、どうすればいいか分からなくなった方が多数いらっしゃいます。
“同意画面スルーに要注意”といった見出しの記事がたくさんありますが、大げさすぎます。大丈夫です。
同意画面は、かならず自動的に出てきます。そこで同意すればOK
「同意画面スルー」した方も大丈夫です。ちゃんと同意画面は出て来ます。


本文に戻るときは、画像拡大表示の右上「×」で戻れます。
最終的に、どこかでプライバシーポリシーに同意さえすれば、そのままLINEは使えます。
LINEヤフー社の「プライバシーポリシー統合のご案内」の内容
LINEヤフー社は、次のようなページを公開して、プライバシーポリシーに再度同意する必要があることを知らせています。ここに、ちゃんと「一定の頻度で同意画面を表示します」と明記されています。

![Q10 LINEやLINEグループ・ヤフーのサービスの継続利用にプライバシーポリシーへの同意は必須でしょう か
・引き続き、当社サービスをご利用いただくに当たっては、LINE ヤフープライバシーポリシーへの同意が必要 となります。
同意いただいていない場合、 11月以降順次、 同意いただけるまでの間はLINEアプリ、 Yahoo!メールなどの 継続利用ができなくなります。 それに伴い、 たとえばLINEアプリ上で提供されているLINEグループのサービ スも一部、 継続利用ができなくなりますのでご留意ください。
なお、同意せず 「あとで確認する」ボタンを押した場合も、一定の頻度でプライバシーポリシーの同意画面 が掲出されますので、 再度掲出の際に同意ください。 11月以降も同意いただいていない場合、 順次、 サービ ス利用時にプライバシーポリシーの同意画面が掲出され続けるようになります。
またLINEアプリの 「account center」 ( [ホーム>設定> account center] ) からも同意が可能です(ア プリを最新バージョンにアップデートしていただく必要がございます)。
別途、 LINEアカウントとYahoo! JAPAN IDを連携する 「アカウント連携」 は任意となり、 LINEアプリや Yahoo!メールなどの継続利用は、 プライバシーポリシーの同意のみで可能です。
※2023年10月27日、 プライバシーポリシー同意の詳しい方法などを追記](https://curio-shiki.com/blog/wp-content/uploads/2023/10/image-15-1200x611.jpg)
- 「同意いただけるまでの間はLINEアプリ、Yahoo!メールなどの継続利用ができなくなります。
- 「あとで確認する」ボタンを押した場合も、一定の頻度でプライバシーポリシーの同意画面が掲出されます
- 11月以降も同意いただいていない場合…同意画面が掲出され続けるようになります
「同意すれば、引き続きLINEは使える」が正しい
ですから、
11月以降は、LINEが使えなくなる
という報道は、ちょっとやりすぎだと思います。皆様に、必要のない不安を与えてしまいます。
11月以降も、同意さえすれば、LINEは引き続き使える
と報道するべきなのです。
いますぐ、プライバシーポリシーに手動で同意する方法
LINEアプリの「ホーム」→右上の歯車
まず、LINEアプリの「ホーム」に移動して、右上にある「歯車」を押します。
これで、「設定」に入れます。

「設定」の中の「account center」に入る
「設定」に移動したら、下図の位置にある「account center」をタップして入ります。

「account center」が出ない方はアップデートをおためしください
「account center」がない方は、LINEアプリのバージョンが古い可能性があります。本記事の下の方に、アプリのアップデート方法もご説明しています。
ただし、LINEヤフー社としては、「いますぐ同意できなくても、11月になれば同意できるようになるので安心してください」と広報しているようですので、11月になっても正常に使えている方は大丈夫です。ただ、今後のことを考えますと、アプリのアップデートは行っていただいた方がよいと思いますので、可能なときにお試しください。
まだ同意してない方は、ここでプライバシーポリシーが出てくる
ここで、まだ同意してない方のLINEアプリでは、「プライバシーポリシー統合のご案内」が出ます。
この画面が出ない方は、すでに同意している、ということを意味しますので、ここで操作は終わりです。お疲れさまでした。

この画面を、下までスクロールして読み進めると、「同意する」が緑色になりますので、タップします。

これで完了です。この「同意する」を一度押せば、LINEのサービスは、11月以降も今まで通り使えるようになります。
Yahoo! JAPAN IDと連携してもしなくてもよい
プライバシーポリシーに同意した後、Yahoo!JAPANアカウントと連携するかどうかの画面になります。
連携すると、なんかいろいろ便利だそうなので、Yahoo!のアカウントを持ってる方(ヤフーメールを使っているなど)は、連携すればよいし
Yahoo!のアカウントがない方、連携したくない方は、右上の×を押せば連携しないこともできます。

account centerに残る青いやつは、放置でよい
もしYahoo!アカウントを連携しなかった場合、account centerに下図のような青い表示が残ります。
連携しないのであれば、そのまま放置で結構です。

LINEアプリのバージョンが古い場合のアップデート方法
「LINEアプリのバージョンが古いと、同意画面が出てこない」ケースがあります。
LINEアプリパージョン「11.15.0以上」の方は、引き続きLINEは使い続けられるはずなのですが、例えば「12.xx.xx」の、小数点以下のxx.xx 部分が最新になっていない方は、「account center」が表示されず、手動での同意ができないようです。
ただし、11月になっても正常に使えている方は、まずは大丈夫だった、とご安心ください。そのうえで、今後のことを考えますと、アップデートを行っていただくほうがよいため、アプリのアップデート方法をご紹介します。
iPhoneの場合
AppStore→「アプリ」→LINEを探して、そこにあるボタンが「アップデート」なら、タップするとアップデートできます。

Androidの場合
Playストア→検索欄に「ライン」と打てば、LINEアプリが検索できます。
そこに表示されているボタンが「更新」であれば、タップすると更新できます。

Wi-Fiがない方が更新できないケース
自宅にWi-Fiがなくて、更新できなかった、というご質問もいただいています。
- iPhoneの場合、当方のてもとのiPhoneで試したところ、4G回線でもアップデートできました。
- Androidの場合、Playストアの設定が必要な場合があるようです。
AndroidのPlayストアで、Wi-Fiなしでアップデート可能にするための設定は
Playストア→右上アカウントアイコン→設定→ネットワーク設定→タップすると出てくる、アプリのダウンロード設定→「ネットワークの指定なし」、「または毎回確認する」

「ネットワークの指定なし」を選ぶと、「Wi-Fi接続時のみ」に戻すまでは、その後いつでも4G/5Gでアプリのアップデートが行われます。このため、以前より通信料が多くかかるかもしれません。
無制限プランなどに加入されていない方は、「毎回確認する」を選択したほうがよいかもしれません。
スマホ自体のバージョンが古く、アップデートできないケース
Androidバージョン6.0より前、iOSバージョン12より前の方は、11月1日以降サポートされるバージョン(LINEアプリ 11.15.0以上)にアップデートできませんので、LINEが使えなくなります。
現在最新のAndroidはバージョン13、最新のiOSはバージョン17です。
Android6.0のリリースは2015年10月、iOS12のリリースは2018年9月です。
ですので、それよりも前のスマホを使い続けている、という方は、確認した方がよいと思います。
LINEアプリのバージョンは、下記の操作で確認できます。

「現在のバージョン」の数字が、いまの時点で11.15.0より小さい方はご注意ください。アプリのアップデートを試して、もしできないようなら、サポート対象外になってしまいます。機種変更をご検討ください。
本件につきまして LINE公式サポート(Android版) ・LINE公式サポート(iOS版) もあわせてごらんください。
プライバシーポリシー、なぜいま「同意しないとLINEが利用できない」となったのか。具体的にどこが変わったのか
最後に、本当はいちばん肝心なことなのかもしれないんですが、プライバシーポリシーが今回、どこが変わったのか、という点をみていきます。
【2023/10/29 記事更新】内容を詳細に検討して、追記を行いました。
結構、読み込むの大変でした。完全に理解できたか、と問われると、完全じゃないかもしれません。
「なら同意しないほうがいいんじゃない?」って言われそうですが…しかし、多くの方は、ぶっちゃけ読まずに同意されていると思います。
以前から申し上げているのですが、読めない程の分量の規約を流して、「同意しましたね」っていうやり方は、もう曲がり角にきてると思います。「しっかり読んでくださいね」と言うのも限界です。
業界全体で、課題にしていかなければいけないことだと思います。
9月1日時点と、10月27日時点を比較してみた
とはいえ、はい、一応ちゃんとやってます。
Microsoft Wordの比較機能を使って、9月1日時点(LINE)と、10月27日時点(LINEヤフー)のプライバシーポリシーの、テキスト部分を比較したPDFを作成しました。ダウンロードできます。
このPDFの中身は、こんなふうになってまして↓

■黒字は変わっていないところ。
■赤字は削除されたところ
■青字は追加されたところ
となっています。
おもな変更点はこのあたり
新しいプライバシーポリシーは、こちらに掲載されています。PDFは、この完成版の少し前の「案」をもとに作成しています。
ただ、これはとても長くて読みづらいので、「変更の要点」がまとめられています。たしかに、よく変更点がまとめられていると思いました。

また、プライバシーポリシー全体の内容を解説する、特設ページも設けられています。

このページに記載されている項目にそって、おもな変更点を追っていきます。
なぜ今回「同意しないとLINEが利用できない」となったのか
プライバシーポリシーを改定するときは、「変更された利用目的について、本人に通知し、又は公表しなければならない。」となっています。(個人情報保護法 第21条3項)
プライバシーポリシー本文では、変更手続きについて、つぎのように書かれています。

小さな変更があったときは、このページに「公表する」ということですが、「重要な変更」がある場合は、もしかしたら、今回のように再び、LINEアプリ上に通知が出て、同意を求められる可能性もあります。
LINEの収益力を強化するための、データ利活用を強化する改訂
LINEプライバシーポリシー改訂の内容を見ていきますと、個々のユーザーを識別したターゲティング広告や、研究目的、また生成AIの開発など、LINEの収益力を強化するための、個人情報の積極的な利用をめざすもの、という印象が強いです。

「無料で使えるサービス」は、大変便利で、ありがたいものですが、それが民営であるかぎり、無条件でいつまでも無料であることは、本来考えられません。
「個人情報を積極的に利用」と聞くと、大変気持ち悪く、同意したくない、という方も多いと思いますが、「個人情報の流出」とは異なり、個々人の名前や住所などは特定されない形での利用は、すでにサービス提供企業にとっては必須のものとなってきています。
「LINEを利用し続けるためには同意が必要」となったのは、こうした背景があるのです。
便利だが、収益力が弱い、LINEの特性
LINEのサービスは、主要な部分は無料で提供されています。国民的通信アプリ、と呼ばれるほど、その利用は広く広がっています。
しかし、トーク機能などは、「通信の秘密」の範囲内で、厳格にその内容が保護されるためもあり、利用がいくら増えてもLINE社の収益に結びつかないところがありました。
この点が、LINEが単独での運営を続けられず、Yahoo!との統合にいたった、主要な要因だろうと思います。
そこで、プライバシーポリシーに大きな変更を加えることで、多くの人に行きわたったLINE、という特性を生かした、収益化の向上を図ろう、という意図がある、と判断しています。
1.広告主などのパートナーからの広告配信などに利用する情報の取得・利用

A社が、買ったことがあるお客様だけにLINEやYahoo!の広告を出すときに、「どの人がA社のお客様か」を識別する情報の提供を受けます、ということです。
このとき、照合には、氏名とかメールアドレス、電話番号「そのもの」ではなくて、それらを暗号化(ハッシュ化)したものの提供を受けて、照合するんだそうです。
プライバシーポリシー本文で言うと、このあたりですね。

そのままのメールアドレスや名前で照合して、「ふむふむ、山田花子さんはこんなものを注文したのだな」という照合をされたのでは、キモくて怖いんですが
例えば、「メアドを暗号化して”awepmv54$”になる人が、LINEユーザーにもいて、同じ人だと判断できる。この人は、この商品を買った」というレベルで照合するという感じですね。
2.解析情報や統計情報の作成・提供

こちらは、1.よりもう少し複雑で、「LINEやヤフーで配信した広告を見た人が、実際に商品を買ったか」などの分析を行うという内容です。
プライバシーポリシー本文で言うと、このあたりになります。

LINEヤフーが持ってる個人情報を、そのまま、広告を出してるA社に提供するわけじゃなくて、
A社が暗号化した個人情報をLINEヤフーに提供して、分析を依頼する
LINEヤフーは、持ってる個人情報のどれかとマッチするかを確認して、マッチしたかどうかの結果をレポートにして、A社に提供する
という感じです。
いずれの情報も、「3.取得するパーソナルデータ」の章で、第三者から取得する場合はハッシュ化(暗号化)して取得することになってるので、照合も、ハッシュ化した状態で行われる、ということになります。
3.越境移転先の国・地域の明確化
以前、中国の委託業者がLINEユーザーの個人情報にアクセス可能だった、ということで問題になりました。
そのときのプライバシーポリシーでは、「当社のパーソナルデータの提供先には、お客様のお住まいの国以外の国または地域にある委託先、子会社、関連会社などの第三者を含みます」という、もやっとした形になっていて、それに「同意した」という形になっていたわけですが、
今回の新しいプライバシーポリシーで、「どの地域にはデータを移転することがある」というのを明確にしたということです。
プライバシーポリシー本文で言うと、このあたりになります。

なお関連して、「6.b.パーソナルデータの保管場所」には、このように書かれています。

データを保管する場所は、日本、アメリカおよび韓国のデータセンターだそうです。韓国に保管したことに懸念する声があったことを意識してか、その安全性が十分な認定を受けていることも記載されています。
なお、これらの対象地域が追加されるときは、プライバシーポリシーが修正されることになります。
4.識別子などの第三者提供
例えば、LINE公式アカウントに友だち追加すると、公式アカウント運営側からは、メッセージの一斉配信が行えるようになります。
また、LINE公式アカウントに一言話しかけた場合、公式アカウント運営側の「一対一トーク」画面にアカウント名が表示され、一対一でやりとりできるようになります。
こうした場合に、「LINEのこの人」と特定できる情報が、LINE公式アカウント運営者側に提供される、といったことですね。
プライバシーポリシー本文で言うと、このあたりになります。

この部分を、さきほどダウンロード可能なPDFとしてご提供した、新旧対照のほうで見ると、次のように結構変更されています。

LINE公式アカウント関係以外に、新たなサービス検討や、研究機関への提供などが追記されていることがわかります。
5.識別子の紐づけ

広告識別子、というのは、「広告配信にあたり、その端末を識別するためのID」といった意味合いです。本名とか住所はそこからは分からないんですが、「ある時点でこの商品を買った人と、いまLINEを開いている人は同じ人だ」といったことが分かるというわけです。
そこで、「この商品を買った人だから、この広告を流します」と言う処理をします、ということですね。よく、「さっき注文した商品の広告がいっぱい流れてくる」というようなことが起きますが、あのようなことです。
プライバシーポリシー本文で言うと、このあたりになります。

LINEとYahoo!が、ひとつの会社に統合するわけなので、これからは、Yahoo!は「パートナー」じゃなくて「当社」に含まれるわけですね。
なお、これにつづく「4.b.当社サービスの開発・改善の具体例」には、生成AIを開発するにあたっての学習に、個人情報を利用することも書かれています。これは、今回の改訂で追記されたものです。

・お客様の質問などの入力情報に応じて文章などを生成するサービスにおいて、新しい情報やコンテンツ(文章、画像、音声など)を生成するためのモデルの開発・改善を行う
LINEヤフープライバシーポリシーより
この生成AIの学習に使われるデータに、LINEのトークが含まれるか気になるところですが、一対一のトークの内容には、初期設定でLetter Sealingの暗号化が適用されますので、利用はできないと考えられます。
全体を通して
ここまで解説した、個人情報の利用は、LINE・Yahoo!のアカウントの連携を設定「しなくても」行われるものです。
そこで、LINEのサービスを利用し続けるためだけのために、この新しいプライバシーポリシーへの同意が必要になりました。
「それ以外の用途」におけるデータの連携は、アカウント連携を設定「した人だけ」行うのだそうです。アカウント連携を行うと、自分の意志で、「両方のサービスをわたし個人に紐づけて利用する」ことを選択することになります。
なお、たとえアカウント連携をしたとしても、LINEアプリでのトークの内容がYahoo!のサービスに使われることは「ありません」とはっきり書かれています。逆に、Yahoo!メールの内容がLINEのサービスに使われることもありません。
LINEの一対一トークは、「Letter Sealing」という暗号化によって、LINEの管理者にも読むことは出来ず、トークの当事者双方にしか読み取れない仕組みなので、ある意味当然のことだと思います。また、メール本文の内容も、憲法や電気通信事業法上の「通信の秘密」にあたると解釈されています。
以上、新しいプライバシーポリシーを読み解いてみました。追加でなにか分かりましたら、この項目を更新いたします。
コメント
懇切丁寧に解説、説明をしていただきまして有り難うございました。
どこかの段階で必ず「同意」確認の表示が出てくるから大丈夫…という説明は、まず安心できますし、とても有用だと思いました。
私の場合はiPhoneですがLINEのバージョンのアップデートをしていませんでしたので、設定の画面でaccount centerが表示されない段階から手順を進めました。
ところで今夜になって友人からLINEが使えないとレスキューの連絡が入りましたが、おそらくこれもLINEのバージョンが理由ではないかと思います。
友人はAndroidですので、これも解説頂いた手順を参考に、明日お助けに向かいたいと思います。
あらためて詳しい解説記事を書いてくださったキュリオステーション志木店、担当者様にお礼申し上げます。
コメントありがとうございます。細部までよく読んでいただいてありがたいです。
多くの方が 友人知人のサポートをされていて、そういう方に支えられてるなあと思います。
当方も、おおわく大丈夫だろうと考えて書き進めたわけですが、古いバージョンのアプリに対して LINE がどの程度 きちんと サポートを提供するか正直 読めないところもあります。10月中にポップアップする方と11月まで ポップアップしない方の違いも明確な説明はありません。そして悪いことに、LINE のお問い合わせフォームの回答が大きく滞っており、不必要な混乱の影響が出ています。
ご友人の方 うまく 復旧できますよう お祈りしております。
初めまして トレッキーと申します
10/31 目覚ましテレビでLINEの件
放送されて
後でーー としていたので
慌てました^ ^;;
詳しく説明されているサイトを
検索で こちらに辿り着きました
有益な情報をありがとうございます
その日 ボランティアで教えている
生徒さんと LINE友人に
さっそく教えました
こちらに辿り着けて 助かりました
コメントありがとうございます。お役に立てて良かったです!
当方には、26日のTBSの放送があった時点で、複数のご相談が入っておりました。皆さんたいへん慌てておられ、何事かと状況確認しましたが、その時点ではあまり詳しい情報がなかったのです。
しかし、はたと考えて、「そんなに多くの方がLINEを使えなくなるんだったら、LINEはつぶれてしまう。そんなやり方をするだろうか」と考え、「放置してても11月になったらきっと表示される」と書いた初稿を公開しました。
27日以降、順次、LINEヤフー社が、いろいろな追記をはじめて、やっぱりだいじょうぶだった、となったんですが
それでも31日にはご覧になった放送が流れまして… 携帯ショップなどにも、多くの方がご相談されていたようですね。