
当店では、限られたパソコンの台数で試験実施用のシステムを構築するため、マルチブートで運用しています。
年末にも見込まれる、次期試験MOS2019に対応するには、SSD240GBでは足りないと予想されるため、480GBのものに換装しました。
その際、SSDをクローンするのですが、なかなか一発では正しく起動しません。
そんなとき、当店でやっている対処法をご紹介します。
クローンに使用しているソフトウェアは、「EaseUS ToDo Backup Free」です。(無料) 起動ドライブはWindowsという想定です。
※ソフトのリンクにアフィリエイトなどは張ってません。単にご紹介しているだけです。
起動ドライブのクローン、起動しないことがありますね。
Windowsのシステムドライブをクローンする必要は、例えばこんなときに必要になります。
- SSD/HDDを、容量の大きいものに換装する
- HDDは遅いのでSSDに換装する
- HDDの寿命が近いので、壊れる前に新品に交換する
多くの場合、クローンした新しい方のSSD/HDDをそのまま設置して起動すれば、今まで通りの環境で起動します。
しかし、一見正しくクローンされたように見えて、正常に起動しないこともあります。例えば
ブルースクリーンで
「回復 お使いのPCは修復する必要があります」
などのメッセージが出て、止まってしまいます。
どんな条件のときクローンが起動しなかったか。
クローンを行った手順
クローン作業は、EaseUS ToDo Backup Freeのヘルプにあるとおりです。
Todo Backupでディスク・パーティションをクローンする | EaseUs
(補足:セクタバイセクタクローン、SSDへのクローンの場合は、リンク先説明のクローン先決定画面下部の「高度な設定」を使います。)
どんなときクローンは起動しなかったか
- クローン時に起動していたパーティションのクローン→正常起動○
- クローン時に起動していたのとは別のパーティション→起動せず×
- 別マシンにSSD2台接続して作ったクローン→全パーティション起動せず××
という結果でした。
セクタバイセクタクローンしなくても、関係なかった
面白いのは、
- セクタバイセクタクローンをしなかった
- クローン後のドライブの容量が違った
といった条件は、当店みるかぎりまったく関係がない、という結果でした。
※条件により、関係ある場合もあります。
どうやって直したか。(/rebuildbcd使いません)
他サイトで「bootrec /rebuildbcd」を使う話がよく聞かれますが、
そこまでせずとも、以下の方法で安定して直せています。
1. 起動可能なパーティション、または回復ディスクから起動
クローンしたドライブの中に、起動可能なパーティションが1つでもある場合は、そこから起動します。
一つもない場合は、回復ディスクから起動します。
Windows 10の場合は、Windows 10 のダウンロードから作成したインストールディスクが使えます。DVDから起動後、つぎの手順で回復環境に入れます。
2. コマンドプロンプトを管理者として起動
インストールディスクから起動した方は、上記の操作ですでにコマンドプロンプトになりますので、読み飛ばしてください。
起動できるパーティションからWindows環境で起動した方は、コマンドプロンプトを管理者として起動します。
3. diskpart→list volumeで、各パーティションのドライブレターを確認
コマンドプロンプトで以下のように操作し、各パーティションのドライブレターを確認します。
操作
diskpart [Enter]
DISKPART>と表示される
list volume [Enter]
表が出力されるので、「Ltr」の項目を確認。
確認したら
exit [Enter] で、通常のプロンプトに戻ってください。
(画像は、ディスクから起動した場合の画像です。)
4. bcdedit で、ブートマネージャーの情報を確認
次に、bcdeditコマンドでブートマネージャーの情報を確認します。
![コマンドプロンプトで bcdedit [Enter]](https://curio-shiki.com/blog/wp-content/uploads/2019/10/image-34.png)
次のような情報が出てきます。

5. 項目device と osdevice がunknownのところを正しく直す
この情報を詳しく確認します。
起動しないパーティションの情報が次のようになっていれば、本操作によって修復できます。
- 項目「device」→「unknown」
- 項目「osdevice」→「unknown」
Windows ブート ローダー
identifier {9c9f51ae-c3e3-11e9-970d-ca19e5257747}
device unknown
path \WINDOWS\system32\winload.efi
description MOS2013
locale ja-JP
inherit {bootloadersettings}
recoverysequence {9c9f51af-c3e3-11e9-970d-ca19e5257747}
displaymessageoverride Recovery
recoveryenabled Yes
isolatedcontext Yes
allowedinmemorysettings 0x15000075
osdevice unknown
systemroot \WINDOWS
resumeobject {9c9f51ad-c3e3-11e9-970d-ca19e5257747}
nx OptIn
bootmenupolicy Standard
直すには、次のコマンドを実行します。
bcdedit /set 【identifier】 device partition=【ドライブレター】[Enter]
bcdedit /set 【identifier】 osdevice partition= 【ドライブレター】 [Enter]
【identifier】が長いですが、Windows10のコマンドプロンプトはマウスでコピペが使えますので、bcdeditの出力からうまくコピーしてください。
具体的にはこんな感じです。
X:>bcdedit /set {9c9f51ae-c3e3-11e9-970d-ca19e5257747} device partition=G:
この操作を正しく終了しました
X:>bcdedit /set {9c9f51ae-c3e3-11e9-970d-ca19e5257747} osdevice partition=G:
この操作を正しく終了しました
修復した結果をもう一度 bcdedit [Enter]で確認すると、次のようになっています。
Windows ブート ローダー
identifier {9c9f51ae-c3e3-11e9-970d-ca19e5257747}
device partition=G:
path \WINDOWS\system32\winload.efi
description MOS2013
locale ja-JP
inherit {bootloadersettings}
recoverysequence {9c9f51af-c3e3-11e9-970d-ca19e5257747}
displaymessageoverride Recovery
recoveryenabled Yes
isolatedcontext Yes
allowedinmemorysettings 0x15000075
osdevice partition=G:
systemroot \WINDOWS
resumeobject {9c9f51ad-c3e3-11e9-970d-ca19e5257747}
nx OptIn
bootmenupolicy Standard
この状態になれば、普通に起動するようになっています。
他の要因も重なると、起動しない場合もあるかもしれませんが、
いろいろやるよりピンポイントでここを直した方が有効でした。
お困りの方はいちど試す価値があると思います。
本記事で使用したクローンソフトウェアはこちらです
再掲になりますが、クローンに使用しているソフトウェアは、「EaseUS ToDo Backup Free」です。(無料) 起動ドライブはWindowsという想定です。
※ソフトのリンクにアフィリエイトなどは張ってません。単にご紹介しているだけです。
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