Windows 11を使っていると、ごくたまに(数カ月に一度)、このような画面になって、まったく操作ができなくなることがあります。
英語で表示されるケースもあるようです。
「けさパソコンを起動したら、なんだか真っ白の見慣れない画面がでて、操作ができなくなった」というご質問があり、確認すると、この英語版の画面でした。
「3日後に通知する」は、押してもまた出てきてしまう
他の操作がまったくできないため、なんとか無難に乗り切らなければいけない画面なのです。
「3日後に通知する」(Remind me in 3days)をクリックすると、とりあえず消えますが、3日ごとにずっと出続けることになってしまいます。いつかは「続行」(Continue)を押さなければなりません。
対処法を解説します
本記事では、いままさにパソコンの画面にこれが出ている方を対象に、「無難に乗り切る方法」を解説します。
また、すでに多くの記事が出ていますが、この画面を出さないようにする方法も解説します。
この画面は一体何なの? どうして出ているの?
まずは、どうしてこんな画面が出ているのか? というお話をいたします。
というのは、次に出るときはたぶん、ちょっと違う画面が出るんです。そのときでも、ご自身の判断で、よく画面を見て、正しく対処できるようになっていただきたいからです。
「マイクロソフトの営業担当が訪ねてきて、なかなか帰らない」状態
次のように考えると、とてもよく理解できると思います。
Windowsがアップデートしたタイミングで、
マイクロソフトの営業担当が訪ねてきた。
相手しないで先に進みたいが、押しの強い営業担当で、
なかなか通してくれない。
もっと短く説明する場合は、「これはマイクロソフトの押し売り画面です」と言ってしまうこともあります。
もちろん、ご自身の利用方法や契約状況により、有益な製品の案内である場合もあります。
ですが、少なくとも、今すぐPCを使いたいユーザーの手を強制的に止めて、それと分かりにくい文言で誘導する手法は、「押し売りである」と、厳しく指摘するほかないものです。
基本は「すべてお断りする方向で操作」
というわけで、
各種サービスの売り込み画面だと考え、お断りしていけばOK
断わるボタンはあるが、だいたい分かりづらいようになっている
それを探して、すべてお断りする方向で操作する
というのが基本方針になります。
順番に出てくる各画面の、解説と対処法
それでは、2024年7月に当方で確認した画面をもとに、「どこを押すべきか」を順に解説していきます。
いま開いているものと、少し違うかもしれませんが、参考にしていただければと思います。
最初の画面「PCのセットアップを完了しましょう」
まず、最初の画面からです。
「続行」をクリックします。
あなたのパソコンは、もうずっと使っているわけで、すでにセットアップ済みのはずです。
それをまるで「セットアップ未完了だから、やらないとダメ」であるかのように見せる文言は、限りなくクロに近いグレーだと言わざるを得ません。
「自社のサービスをフルに使ってほしいマイクロソフトから見れば、まだ設定が完了してない」だけです。向こうも商売ですからしょうがないんですが、全部つきあう必要はまったくありません。
英語で表示された方は「Continue」をクリックします。なお、今回当店に相談があった事例では、この次の画面からは日本語になったそうです。
「エクスペリエンスをカスタマイズしましょう」
次の画面は「エクスペリエンスをカスタマイズしましょう」
ここは、何もチェックしないで「スキップ」でOKです。
「ヒント、広告、推奨事項を取得するため」ということですから、つまり「宣伝をしたいので、あなたの興味を教えてください」ということです。教える必要はありません。
初めてパソコンを買って、何していいか分からない、という方は、興味がある分野にチェックを入れると、思わぬおすすめが出てきて参考になる場合もあります。
「推奨ブラウザーの設定を使用」
次は「推奨ブラウザーの設定を使用」画面です。もしかしたら、普段 Edgeブラウザを使っている方は、この画面が出ないかもしれません。
「設定を更新しないでください」を選択して、「設定を適用」をクリックします。
要するに「ChromeやFireFoxみたいな、他社ブラウザーなんて使ってないで、Edgeを使ってください」という画面です。
ChromeでもFireFoxでも、アップデートをちゃんとやっておけば「最新」です。それぞれ理由があって使っているわけですから、変に干渉しないでほしいものです。
「常に最近の閲覧データにアクセスできます」の画面
その次はこんな画面です。「常に最近の閲覧データにアクセスできます」
「今はしない」をクリックします。
承諾しないと、大切なデータにアクセスできなくなるかのような、誤解を与える表題です。
何もしなくても、「お気に入り」や閲覧履歴、保存したパスワードやCookieは、いつでも「常にアクセスできる」状態のはずです。どうして改めて「承諾」する必要があるのか、分かりません。
いったい何を承諾するんでしょうか?
実はこの画面は、閲覧履歴やパスワードなどの情報を、Edgeを起動するたびに今使っているブラウザからEdgeに流し込む許可を求めています。具体的には、Edgeの「設定」の中の次の箇所をオンにするものです。
この設定の意味を知らないまま「承諾」を押すことにより、Edge以外のブラウザに保存されているパスワードなど機微なデータが、知らないうちにMicrosoftにコピーされ保存されてしまうことを意味します。
Microsoftアカウントに二段階認証を設定していないなど、脆弱な状態だった場合には、気づかないうちにそちらからパスワードが漏洩したりする危険性さえあります。
また、すでにEdgeに切り替えた人にとっては、最初に一度インポートすればよいだけです。起動のたびにインポートする必要はまったくありません。
以上の理由により、いかなる場合でもここは「承諾」しないことをおすすめします。
「OneDriveを使用してファイルをバックアップ」の画面
次は、大問題になった有名な「OneDriveを使用してファイルをバックアップ」です。
「このPCにのみファイルを保存する」をクリックします。
パソコン内の「デスクトップ」「ドキュメント」「ピクチャ」フォルダを、Microsoftのクラウド「OneDrive」のフォルダ配下に移動して、クラウド上にコピー・同期する設定です。
気づかないまま「次へ」を押してしまうと、文書や写真がたくさんある方は、たちまち5GBの無料容量を使い切ってしまい、課金が必要ですという警告画面が現れることになります。
とても大きな設定変更で、費用がかかる場合もあります。ボタンの表記が「次へ」になっているのはまったく不適切です。警戒心を抱かせずに、知らない間に設定変更させたいという意図が透けて見えます。
大変大きな問題になり、解説記事も最も多い項目です。当ブログでも解説記事を出しています。
※Microsoft 365の契約をしている方は、OneDriveが1TBありますから、意味を分かって利用したい、という場合は「次へ」を押しても構いません。
「PCでスマートフォンの写真を楽しむ」
次は「PCでスマートフォンの写真を楽しむ」です。
「スキップ」をクリックすればOKです。スマホでQRコードを読み取ったり、指示通りに操作しないようにしてください。
もう忖度なくズバリ言ってしまいますと、「OneDriveにスマホの大量の写真をアップロードさせて、無料容量の5GBを即座に消費させ、課金に誘導する」画面です。
多くの方が、すでにGoogleフォトやiCloudフォトに、写真を同期していると思います。そちらで課金が発生している方もいるはずです。この画面の指示通りにスマホで「カメラのバックアップを有効に」してしまうと、同じ写真でさらにMicrosoftの方でも二重に課金が発生してしまう恐れがあります。
※こちらも、すでにMicrosoft 365の契約がある方は、OneDriveに1TBの容量がありますので、二重バックアップの意味で写真を同期してもよいと思います。
「PCからスマートフォンを使用する」
次は「PCからスマートフォンを使用する」の画面です。
「スキップ」をクリックします。
この画面は、珍しく、表題にごまかしがありません。書いてある通りの設定になります。
「スマートフォン連携」アプリと自分のスマホを連携すると、パソコン画面上にスマホの画面がそのまんま現れ、マウスで操作することができます。文字も打てます。スマホ版しかないアプリをパソコンで操作できます。
ショートメールで長文を打ちたい場合や、パスワードをコピペしたい場合なども、大変便利です。
必須の設定ではありませんし、必要ない方も多いと思います。スマホの通知が全部パソコンに出るようになって邪魔なケースもあります。
後からでも設定できますので、ここでは「スキップ」でよいと思います。
「Microsoft 365の使用開始から…」
「Microsoft 365の使用開始から1年間は50%の割引が適用されます」(表現は時々変わります。)
これは、Microsoft 365の新規契約に誘導する画面です。
「今はやめておく」をクリックします。
小さくて薄い文字で、かかる費用が明記されていますので、詐欺とまではいえません。ただ、「次へ」ボタンは、本来は「申し込む」「契約をはじめる」とすべきボタンです。
まるで「割引を申し込む」かのような錯覚を与え、お得な提案のように見えますが、そうではありません。
よく見ないで「次へ」を押して、いつのまにか14900円の課金が発生していた、という方もちょくちょくいらっしゃいます。本当に必要な方は、別にちゃんとお申し込みをしてお使いください。
「Microsoft 365 Basic でクラウドストレージを増やす」
次の画面は、最近あらたに追加された画面です。「Microsoft 365 Basic でクラウドストレージを増やす」
これは、前の画面でMicrosoft 365の契約を断った人に対して、「OneDriveだけにしたお安いプランもあります」として、あくまでも契約に誘導する画面です。「手を変え品を変え」というやつです。
「辞退する」をクリックします。
マイクロソフトのクラウド内に100GBの保存スペースがもてる契約です。260円/月ならば、GoogleやAppleのクラウドプランと遜色はありませんが、スマートフォンユーザーの方は、GoogleやAppleで契約した方が、AndroidやiOSと連動するのでおすすめです。
パソコンしかないユーザーにとっては、有益な契約である場合もあります。
必要なら後でもできることですので、 ここでは「辞退する」でよいと思います。
お疲れさまでした、無事に完走です!
以上ですべての関門をくぐりぬけ、何の追加設定もせず、一円も支払わないまま、ぶじに完走しました。「準備が完了しました!」の画面です。
「閉じる」をクリックすると、いつものデスクトップが帰ってきます。
全部断り続け、何の機能も追加していないのですが、「最新の機能が追加されました」と表示されています。
その程度の画面ですので、気にせずどんどんお断りして大丈夫なのです。
【追記】最近追加された新しい画面
本記事公開後に確認された、新しい種類の画面のスクリーンショットと対応法を追記します。
「ファイルと思い出を保護する – PCをバックアップする」(2024/11月)
2024年11月のアップデート後に、「ファイルと思い出を保護する – PCをバックアップする」という画面が出たマシンがあります。
お断りするボタンだけが英語で、とってもいじわるです。
「Abandon Backup」(バックアップを放棄する)をクリックします。
これも、上の方でご紹介したように、デスクトップ・ドキュメント・ピクチャのフォルダを、OneDriveフォルダ配下に移動して、クラウドにコピー・同期する操作だと思われます。
ファイルの量が多い方は、無料の5GBを一気に使い切ってしまい、課金が発生する場合がありますので、ここではお断りしていただくほうがよいです。
バックアップをお勧めします
さらに続けて「バックアップをお勧めします」が出てきました。
これは、ひとつ前の、OneDriveへのバックアップより、少し広い意味のバックアップなのですが、ひとまずここでは「今はスキップ」をクリックします。
2024年11月のこの画面では、「今はスキップ」をクリックすると、すぐそのまま、いつものデスクトッぷが表示され、作業を開始することができました。
この画面でいっている「バックアップ」は、Windows 11でリニューアルされた「Windowsバックアップ」のことです。
iPhoneの「iCloudバックアップ」、Androidの「デバイスのバックアップ」に近いものが、ついにWindowsパソコンにも搭載されました。新しいパソコンに買い替えるときのデータ移行には、ある程度有益なものです。
ただし、この中に、問題の「ファイルをOneDriveにバックアップ」が一体化されていますので注意が必要です。うっかり載せられて、ファイルまでバックアップしてしまうと、課金が発生することがあります。
あわててやる必要はありません。とりあえずスキップしても全然問題ありません。
もしWindowsバックアップを設定する時の注意点
もし、新しいパソコンに買い替えるなど、必要な場合には、「Windowsバックアップ」を直接起動すればいつでもバックアップできます。
上のスクリーンショットで言うと「フォルダー」の中にあるスイッチは、どんなに「オフ」に設定しても、次に開くと勝手に「オン」になった状態で、なおかつこれが隠された状態で表示されます。もう本当にひどいの一言です。
Microsoft 365の契約をしている方は、バックアップしても新たな課金は発生しませんが、そうでない方は、Windowsバックアップを開いた際は、毎回必ず手動で、「フォルダー」のバックアップをすべてオフに直してから「バックアップ」ボタンを押すようにしてください。
「PCのセットアップを完了しましょう」が出なくする設定方法は?
このような画面が、今後出なくする設定方法について解説します。
出なくする方法が変わった?
他にも記事がたくさん出ていますが、そこからまたなんか、Microsoftが微妙にイジってきているようで、画面が変わっています。
2024/11月時点のスクリーンショットで解説しますが、本当にこれで出なくなるか、実は未確認です。
もしかしたら、出なくする方法がなくなった可能性さえあります。
ひとまずやってみていただいて、もしまた出てきたら、本記事を開いて、うまくのりきってください。
スタート→設定→システム→通知
まず、図のように操作して「通知設定」の画面に行きます。
通知設定をスクロール→一番下の「追加の設定」→チェックを外す
通知設定の画面はこのようになっています。
下までずーーっと長く続いていますが、一番下までスクロールしてください。
すると「追加の設定」がありますので、図の位置のチェックを外します。
※図では上側だけチェックを外していますが、念のため2個ともはずしてもよいと思います。
以前はチェックが3つあったようです→現在2つになっています
以前はどうも、チェック欄が3つあって真ん中を外していたようです。
日本HP HP LIVEサポートナビ
「「デバイスのセットアップを完了しましょう」の画面を非表示にしたい」より
現時点で筆者のパソコンで確認したところ、このチェックの数が2つになっています。
以前の記事では「Windowsを最大限に活用し、このデバイスの設定を完了する方法を提案する」のチェックを外す、となっていましたが、現在この項目がありません。
ですので、仕方なく、上側のチェックを外してください、というご案内にしてみました。
「更新後およびサインイン時に」「新機能と提案を表示」ですから、書いてある内容からすると、このチェックを外せば出なくなるような気はします。しかし、分かりません。とにかく、以前とは違う状態になっています。
設定してもまた表示されるかもしれません
いずれにしても、本記事で解説しましたように、これはMicrosoftの押しの強い営業担当が訪ねてくる画面ですので、何とかしてまた表示しようとするのは間違いないと思います。
もし表示されたら、本記事をまた参考にして、うまく断り続けて乗り切っていただければと思います。
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