本記事は、コロナ感染拡大のほんとにはじめのころ、2020年3月13日に初公開しました。
現時点(2024/5月)は、すでに新型コロナは5類に移行し、多くの相談窓口が閉鎖している状況です。
本ページの情報は多くが古くなっていますが、ただいま更新作業中です。新型コロナウイルスそのものの特性に関しては、現在でも使用できる情報もございます。
厄介な「空気感染」。換気が大切だが冬場は…
夏ぐらいまでは、「コロナ感染は飛沫感染がほとんど。空気感染は確認されていない」と言われていましたが、研究がすすみ、「空気感染もある。換気が重要」と指針が改定されてきました。
「むしろ空気感染が主流」という論文すら出ています。
この点は、厚労省の指針でも、まだ踏み込んでいない部分です。厚労省は現在でも、「主に飛沫・接触感染」だといっています。
しかし、確かに、接触感染が主であれば
- 咳をする
- 飛沫が飛ぶ
- 飛んだ飛沫を触る
- 触った手で飲食する
といった順番を踏まないと感染がおこらないため、大規模なクラスターが説明できないようにも思います。
だとすれば、空気感染について本格的に対象化しなければ、感染対策とは言えない、ということにもなりかねません。
そこで本記事でも、この項目を手洗いより上に持ってきてみました。
空気感染(エアロゾル感染)とは一体なにか
せきやくしゃみだけでなく、しゃべっただけで結構ウイルスは口から飛んでいます。
動画ではまとめて「飛沫」と呼ばれていますが、青く表示されている落ちない粒子に注目してご覧ください。
「飛沫」というと、水滴のようなイメージですが、まったく違います。
空気感染をひきおこす粒子は、極小の飛沫から水分が抜けたもの。非常に軽く、空気中をいつまでもただようことができます。
アクリル板・ビニルシート・フェイスシールドが全部無効ということ!?
空気感染はこのように、非常に軽い粒子を介した感染なので
アクリル板やビニルシートはやすやすと乗り越えて、室内に拡散すると思われます。
フェイスシールドも、大きな飛沫を止めることはできても、極小の飛沫は止められません。
マスクをすれば、口から出る時点で止められますので、一定の有効性はあるでしょう。
空気感染には結局、換気をするしかないが…
結局、空気感染を防ぐには、十分な換気をおこなうしかない、ということになります。
「一時間に2回以上、2方向の窓を全開にする」と厚労省は言っているようですが、これはあくまで「考え方」だというべきでしょう。部屋にいる人数、窓の大きさ、周囲の風の流れなどによって、条件は変わると思います。
そして、話題になっている「冬の換気」の問題があります。
真冬の北海道で、「一時間に2回以上、2方向の窓を全開にする」なんて、できないですよね…
換気ができないとすれば、結局、同じ部屋に多数が滞在しないようにする、しかないのでしょうか…
「全熱交換式換気システム」というすごいものがある
そこで注目されている「全熱交換式換気システム」というものがあります。
部屋の温度と湿度を全部残して、空気だけを入れ替えるという、スゴイ装置です。
ダイキンのベンティエールをご紹介したのは、「後付け可能な機種」が発売されたから。
Googleで検索すると、実売20万円台です。埋め込み式ではないため、壁に穴をあけるエアコン的な取り付け方で、既存の建物にも設置できます。
残念ながら、この種の機器の設置に補助が出るといった話はありません。感染対策として、本腰を入れて政府が推進することもできそうですが、しないまま冬をむかえてしまいました。
しかし、店舗物件オーナーからみれば、「全熱交換式換気システム設置済み」とするのは店子獲得のまたとないメリットになります。
このような発想で、全熱交換式換気システムが普及することが、もしかしたら感染拡大をおさえていく切り札になるのかもしれません。
接触確認アプリ「COCOA」の重要性と限界
接触確認アプリ「COCOA」を、できるだけ多くの人がスマホにインストールすることも、現在の局面では非常に大切だと思います。
14日以内に、PCR陽性者とおおむね1m以内に15分以上いたら通知が来る、というのがCOCOAの効用です。
また、陽性者との接触があった場合、そのまま画面に相談先が表示され、電話できるのもメリットです。11月からは、COCOAで通知がきた人専用のコールセンターができて、いっそうこの点が大きなメリットになっています。
COCOAでは検知できない経路の感染も
しかし、特に上で解説した「空気感染」を考えると、COCOAでも検知できないケースがかなりあるだろうと思います。
数メートル離れていようとも、同じ空間を共有しただけで感染することはあり得ます。
また、冬の低温・乾燥のもとではウイルスが14日たっても感染力を保持しているとの情報もあります。そうなると、2週間以上前のお客さんが残していった飛沫から、接触感染するということもあり得ることになります。
ウイルスは「汚れ」にひそむ。大切なのは消毒よりも手洗い
次に、従来から言われている接触感染の対策です。
どんなにアルコールで消毒しても、脂などよごれがひどい場所のウイルスは、なかなか除去できないそうです。
ですので、アルコール、アルコールと言う前に、まず手洗いを行うことが大切だということです。
実は「石鹸」が最も有効。高価なハンドソープである必要はない
コロナウイルスの特性上、実は「石鹸」での手洗いが最も有効だそうです。
オーストラリアの学者の方のツイートが広く参考にされています。
この内容をもとにした日本語の記事が出されていますので、下記よりご覧いただけます。
なぜ新型コロナウイルス対策に「石けん」が最強なのか?| GIGAZINE
正しい手洗いの方法(動画)
医師に見てもらいましたが、米国CDCで推奨している洗い方だそうです。
When and How to Wash Your Hands | 米国CDC
手洗い場の周囲にウイルスを残すと、逆に感染源になります
重要なことは、落としたウイルスを含む汚れが周囲に残らないようにすること。せっかく洗った手に再びウイルスがつかないようにすること。
実際に、「蛇口からの再感染」や「石鹸箱からの再感染」も起きているそうなので、
例えば石鹸についても、石鹸箱を使うのではなく、昔小学校でやっていたような、ネットに入れてぶら下げる方式のほうが良いそうです。
咳やくしゃみに「咳エチケット」
コロナウイルスもですが、今は花粉の季節。咳やくしゃみが出る方も多いと思います。そんなとき「咳エチケット」大切です。
咳やくしゃみとともに、見えない飛沫(ひまつ)が大量に、そして遠くまで広がっており、そこにウイルスが含まれていれば、感染の原因となります。
コロナ感染関係のリンク集
当店が状況確認に使っているサイトのリンクを貼ります。
東洋経済オンライン。簡易な方法ですが「実効再生産数」が表示されており、「これから拡大するのか、終息するのか」の目安として利用されています。
全国のコロナ対応病床数・利用率が一目でわかるサイトです。
東京都のコロナ対策サイトがオープンソースで開発され、同じプログラムを流用して各県で同じようなサイトがオープンしています。
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/公開終了
「感染したかもしれない」その時どうする
感染したかも?? そのときの相談先
現在では、「かかりつけ医がいる人は、かかりつけ医に相談」という指針になっています。
かかりつけ医がいない場合、相談できない場合には、各自治体が相談ダイヤルをもうけていますので、そこにまずは電話して、症状などを伝えて判断をあおぐことができます。
東京都の方はこのサイトにまとめがあります。
東京都新型コロナ相談センター(2024/3/31閉鎖)
閉鎖しましたが、ページ内に現在でも使える相談先が書かれています。
各都道府県の情報はこちらにまとまっています。
新型コロナウイルスに関する都道府県の相談窓口等の情報 | 厚労省(2024/3/31掲載終了)
都道府県窓口は掲載終了していますが、その他可能な相談方法が掲載されています。
自分や家族が「感染したかも」その時どうする
症状が出れば、もちろん感染したことを疑うのですが、症状がない時、「感染した可能性のある人と濃厚接触した」ことがあれば、心配になりますね。
感染したときの潜伏期間はどのくらい
WHOの知見によれば、現時点で潜伏期間は1-12.5日(多くは5-6日)とされており、また、これまでのコロナウイルスの情報などから、未感染者については14日間にわたり健康状態を観察することが推奨されています。
新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)| 厚生労働省
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-coronaviruses
「感染したかもしれない」が「感染してなかった」になるには、14日間健康状態を観察する、とされています。
つまりその間は「感染したかもしれない」「他人にも感染させるかもしれない」と考え、必要な対策をとることが必要です。
家族に感染させないために何をするか
ご家族に新型コロナウイルス感染が疑われる場合
家庭内でご注意いただきたいこと ~8つのポイント~
- 部屋を分けましょう
- 感染者のお世話はできるだけ限られた方で。
- マスクをつけましょう
- こまめに手を洗いましょう
- 換気をしましょう
- 手で触れる共有部分を消毒しましょう
- 汚れたリネン、衣服を洗濯しましょう
- ゴミは密閉して捨てましょう
- ご本人は外出を避けて下さい。
- ご家族、同居されている方も熱を測るなど、健康観察を し、不要不急の外出は避け、特に咳や発熱などの症状が あるときには、職場などに行かないでください。
感染予防のため掲示用に使えるポスターなど
咳エチケットポスター(厚労省) 「進撃の巨人」コラボも
咳エチケット | 厚生労働省 このページの下部に、ポスターがPDFで配布されています。
「元通り活動しても大丈夫な対策」は存在しない
今年の春以来、当店も含め多くの方が「コロナ対策」を工夫し、実行してきたと思います。
それでも今、新型コロナ感染は拡大しています。
迅速な政策変更、GoToキャンペーンの即時停止、といった、根本的な「人の流れ」を変えるような実効性のある政策が行われない限り、残念ながら現在のところ、大規模な感染爆発を止める手立てはないだろうと考えています。
多くの方が「対策すれば大丈夫なんじゃないの」という感覚を、まだお持ちだと思いますが、このウイルスはそんなものではないと思います。
現在は、政府見解はともかくとして「感染急増期」にすでに入っているとしか思えない北海道。しかし、本当に大変なのは病床がいっぱいになってからです。
コロナ陽性になっても、重症になっても、入る病院がない。そんな状態では、クラスター対策どころではありません。すでに、保健所の要員が足りず、感染経路を追えないという話も出ています。
経済を回そうとして、かえって経済が回らなくなる。それでも、多くの方々の努力は本物であり、決して悲観はしておりませんが、
当店は、自分たちでできることを最大限やるのみです。
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